雨が降りだす前に急げ!と、
駆け足(自転車だけど)で次の目的地「和歌山県立自然博物館」へ向かっている途中、
…ん?なんやろう、あれは?
と、進んできた道の突当り、道路向こう側に何やら公園の様な場所を見つけた。
すぐさま入り口らしき場所に近づいてみると、
そこには琴ノ浦温山荘園と書かれた看板があがっていた。
「ええい頭が高い。控えおろう!」的、思わずひれ伏してしまう
国指定名勝・重要文化財の大看板。
へぇ~黒江にはこんな場所があったんだ。
外から見るに、この温山荘園はなかなかの広さの様で、
これはかなり見応えがありそうな感じだ。
それにしても名勝という言葉の響きにはいつも胸をずっきゅーんと打ち抜かれてしまうなぁ。
これは寄っていくしかないでしょう。
これが入口、門である。
うーむ、お金持ちの別荘みたいだな。
早速受付へ向かい、入場料を払って中へ。
まずは地図をじっくりと確認。
おー、これは予想通りかなりの広さのようだ。
海沿いにあるので眺めもかなり良さそうで期待大。
中でも浜座敷ってところがとても気になるところである。
…はっ!?そうだそうだ。
よくよく考えてみたら、ここは一体そもそもどんなお庭なのか全くわからず入っていた。
よしよし。こういう時は勿論これだ!
受付で頂いたパンフに載っている説明書き~。
えー、何々。
会社創業者の新田長次郎さんの別荘として作られ、
主屋は東郷元帥によって命名されたとの事云々。
…なんかすげぇお庭なんだな。
正門からまっすぐ伸びる道を進んで行くと、ぱっと開けた場所に出た。
広場中央部分に立っているのは銅像のよう。
先程読んだパンフに載っていた、このお庭の持ち主新田長次郎さんの銅像でした。
間違いなく本人そっくりの銅像なんだろうと思えるほどのリアルさが素晴らしいです。
パンフを眺めながら、順路通りにどんどん進んで行きますぞ。
こちらは主屋(重要文化財)
中に入っていいものかわからなかったので、外から眺めただけですが、
とても大きく豪華な建物でしたという感想。
荘園内に作られている三つの池のうちの一つ。
説明によると、温山荘園の池は海から水を引いており、
潮の満ち引きによって水位が変わるとの事。
時間の経過とともに現れる石などもあるんだって。これは面白い!
前日の雨でぐちょぐちょな地面に悪戦苦闘しながらも、
広々とした良いお庭で気分もよろしおすわ。
あああああ!晴れてたらとても気持ちよかったんだろうなぁ!
なんて妄想にたっぷりと浸りながらどんどん進みます。
池の間を進んで行くと茶室に到着。
茶室(重要文化財)
こちらも外から見学。感想としては侘び寂とは程遠い感じのお茶室でしたな。
でも、中からの眺めはほんと良さそう。
それにしてもこんなデッカイ規模のものが個人の別荘だったのか…。
金持ちすげぇなぁ…。
と、ここら辺りから小雨がぱらつき始めました。
…うわぁ。遂に降って来たか。
慌てて急ぎ足で先へ進みます。
荘園内三つめの池辺り。
山の向こうには海が広がり、そこに気になっていた浜座敷というのがあるようなんだけど、
どうやっていくのかがよくわからないんだな。
そこで地図を確認してみると、どうやらトンネルを抜けていかなきゃならんみたい。
池の上の飛び石(?)を渡った先にそのトンネルはありました。
恐る恐る覗いてみたんだけど、中は暗くてめっちゃ怖いやん!
小雨はどんどん強くなるし、辺りは薄暗いし…。
貸し切り状態の荘園内は人の気配は全くせず。
見に行きたいんだけど…。見に行きたいんだけど…。
あかん。これはほんまあかんで。
たった一人でトンネルの中を進む勇気が…。
結局、浜座敷は諦めることにしました。
誰か一緒に行ってくれる人募集なのである。
(トンネルの様子などは公式サイトから見れますぞ)
この超絶天気が悪いお蔭で、温山荘園、横溝正史の小説にでも
出てきそうな場所のように思えて来たではありませんか。
豪華な別荘。海が見える離れ。怪しいトンネル。うん、完璧じゃん。
(そうそう、このトンネル、庭園内に海からの涼しい風を送る役目もあるんですって。すげぇ!)
ぐるりと園内を一周してようやく入口へ戻る。
いやぁ、とてもいい庭でした。だけど…。だけど、天気の悪さだけがなぁ…。
次はあっつい夏の晴れた日に来てみたいと心の底から思いました。
どうせなら避暑に別荘に来た金持ち気分を味わいたかったぜ。
(平成27年9月訪問)
琴ノ浦温山荘園 公式サイト
おすすめ度 ☆☆☆☆★ 晴れてたら満点でしょうな
ヘンテコ度 ☆★★★★ 考えようによっちゃトンネルのとこらへんはちょっとヘンテコかも
入園料 大人400円
開園時間 9:00~17:00
休園日 月 12月1日~2月末日
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