歌川国芳月岡芳年etc.武者絵の浮世絵たっぷり鑑賞!「兵庫県立美術館」(兵庫)

本場明石で食べた美味しい明石焼きと
真っ昼間からゴクゴク呑んだ生ビールのお陰で
新快速車内では絶えず舟をこいでいた僕。
だけどなんとか持てる気力体力全てを出しきって無事三宮で下車成功である。
なんてったってこれから向かう先は、実は今回の旅行で一番楽しみにしていたと言っても
過言ではない場所なだけに、とてものこと寝落ちなんてしてられないのだ。

駅舎を出て人であふれるかえる北野坂をえっちらおっちら登っていく。
我々が向かっているのは勿論北野異人館街
…ではなく、野球好きのオッサン達には興奮と感動が確約されている場所。
そう、ダルビッシュミュージアムだ!

 

…あれ?同行者の様子がおかしいぞ?
本日の旅程でここダルビッシュミュージアムを一番のお目当てにしていた犬面さんは
到着するや否や駆け込むように入口玄関に向かったのだが…。

すぐさま何とも言えない笑みを浮かべて戻ってきた彼は
「マジか。閉まってるやんw」とその場で崩れ落ちたのだった。
うっそーんw事前に調べて本日開館ってのは確認しとった筈なんやけど。
中を覗いてみると、ああ…施設メンテで臨時休館なのね…。

何時以来かの「行ったら閉まってた」に
呆然とするオッサン二人。この後どうするよ?と我々困惑ぅー。
このまま北野異人館ってのが一番自然な流れっぽいけど、

それは流石にベタすぎていまいち気が乗らない感じなのよね。
仕方ない、この後に予定していた所へそのまま向かうことにしよう。

再び三ノ宮駅に戻り今度は阪神電車に乗ってカラフル駅舎の岩屋駅へ移動です。
そこから海側へ歩いて行けばお馴染みの兵庫県立美術館に到着だ。

特別展「ボストン美術館所蔵 刀剣×浮世絵 THE HEROES 武者たちの物語」

本展覧会では国芳や芳年の武者絵がたっぷりと展示されるらしいんで
めっちゃ楽しみに待っとったんですよねぇ。
くによし!くによし!よしとし!よしとし!浮世絵武者絵大スキー!

そして本日は開幕日。
春に京都文化博物館で行われた特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」では
閉幕ぎりぎりに行ってしまった所為で図録を買いそびれてしまったので、
今回は絶対にやらかさない!と固い決意を胸に早めにやって来たのであります。
まぁまさかの開幕日に来てしまうとは流石に思わんかった。

春のその時の話はコチラ

春の京都美術展巡り!「国芳から芳年へ」を見に京都文化博物館へ行く(京都)
「チョー暑ッい!」 まだ四月初旬とは考えられない程の、 真夏を思わせる季節外れの陽気の所為で、 着込み過ぎて出てきた事に大層頭を悩ませながら、 烏丸御池から姉小路通に向かってトコトコ歩いていると、 目の前に現れたのが…   ...

 

本特別展は京都の国芳から芳年展と同じく
写真撮影可の展覧会と嬉しい仕様でした。

 

美術館内のあちこちに飾られていた武者絵の書割(パネル)カッコヨ!
それらを眺めてたっぷり興奮。さぁ準備万端、いざ会場へゴー。

んでもって会場内はこんな感じでした。
初日だという事もあって移動するのも大変なくらいに大混雑なのでは!?と戦々恐々としておりましたが、
時間帯が良かったせいか、ゆっくりのんびり鑑賞できるくらいの人出でした。
空いている場所をふらふら移動しながら鑑賞開始です。

そうそう撮影ですが気合い入れて沢山撮っても特段見返さないという事が
京都の展覧会見に行った後分かったので(そもそもうまい事撮れないんで見返しても…)
鑑賞に集中し、めっちゃ気に入ったものや、
後で調べたい作品だけを撮っていく方針で。
まぁあんまりガツガツ撮影してたら他の人の迷惑だし、
見るのが疎かになっちゃいますからのぅ。

 

1 神代の武勇譚

 

最初は神代の頃の武勇譚に現れる
英雄たちの雄姿が描かれた浮世絵が展示されておりました。

のっけから芳年に国芳がドーンだ!

「小子部栖軽豊浦里捕雷」歌川国芳
雷獣を捕らえる雄略天皇の従者小子部栖軽(ちいさこべのすがる←読めねぇ)
ダイナミックでド迫力な構図ときらめく色遣いがたまらなく好き。

 

2 平安時代の武者

お猿さんと熊ちゃんの相撲の行司をする金太郎さん。かわいい。

国芳のタコは妙にえちえち。
他の展覧会なんかで何度も見たはずだけど、また見入ってしまうのが情けなや。
悪役商会に居そうなフグさんも密かにお気に入り。
それにしてもどのお魚さんたちもリアルに描かれてて国芳ほんま上手やと感嘆。

そして芳年のこちらの絵はどうやら本展覧会の目玉扱いのようで、どんと目立つように展示されておりました。

月岡芳年「平井保昌 袴垂保輔」
緊迫感ありすぎて胃が痛くなるような月百姿の方とは違って
こっちはひたすらカッコいい。今展覧会で一番お気に入り。やっぱ芳年だいしゅき。
(月百姿の絵は刀剣ワールドさんに解説付きで載ってましたんでどうぞ)

 

3 源平時代の英雄

丁度、大河で「鎌倉殿の13人」をやっている所為か
絵を見てる人達の熱量が他の時代を見ている時より大きいように感じた。
それプラス出品数も多めだった気がする。

鳥井清満「一頼法師 筒井浄妙」
祇園祭の浄妙山のもとになっているお話やねぇ。
大津絵っぽくて好き。

怪力無双の畠山殿。
鵯越えの逆落とし。背負われているお馬さんの表情がどことなく切なくて良い。

義経八艘飛びの場面。
どうしても能登殿を応援してしまう。これも判官びいきよね。

勧進帳。安宅関。
涙なくして見られない名シーン!

他にもたくさんの名場面を描いた浮世絵が展示されておりましたわ。

 

んでもって、源平時代のすぐ近くに設けられていた刀剣ゾーンがこちら。

 

ボストン美術館の名刀。
刀剣はどう鑑賞したらいいのか全くわからないレベルなので
うわぁ、きらきらしとるなぁ…なんて阿呆のような感想で素通り鑑賞でした。
そんな展示の中で気になったのが説明書きに書かれていたビゲローさん。勿論、ひげろーやん!としょうもない事を思ったことは秘密。

そして源平時代の展示コーナーの締めと言うか、トリで展示されていたのが…

巴御前!

美しさ満点の巴さんに、

厳つさ満点の巴さん。
作者によってこんなに変わるんかというくらい違ってた。

展覧会も終盤戦。
お次が…

 

4 鎌倉時代の物語

 

日本三大仇討の一つ、曽我兄弟の仇討のコーナー。充実ぶりが凄かった。

こちらでは色々と面白い展示もあって、
江戸時代に作られた武者番付なんてのがありました。

 

こちらは武者絵地図。
気になった場所へ行ってみたい。

 

5 太平記の武将

「赤坂城の籠城」
南朝派ワイ、食い入るように絵を見る。
ちっちゃな頃に太平記読んで、楠殿の籠城戦に興奮した思い出。

 

6 小説のヒーローたち

椿説弓張月を題にして作られた双六。
(ミュージアムショップにこれを模したものが売っていたので帰り際に購入した)

里見八犬伝の犬坂毛野。
里見八犬伝はどうしても角川映画のイメージが強いや。

川中島での武田信玄と上杉謙信の一騎打ち!

他には妖術使う袴垂さんの絵などもあってとても面白かったっす。
妖術、妖人が大暴れする読物とか講談大好きなんでほんと素晴らしかった。

大満足で会場を出るとグッズ販売コーナーが設営されていて、
今回はばっちり図録を購入、双六も買ってポストカードも買って、
そしてあれもこれもと大散財をしてしまった…。
荷物重いわぁ…なんて思いながらも楽しさでニッコニコしながら部屋を出ると
ぐったりと旅の相棒が出口で座って待っていたw

すっかり忘れてたわw
聞いてみると、やはり今回も興味がわかなかったらしく
速攻で会場を出たらしい。
源平合戦とか丁度ドラマもやってるし、
絶対知ってる時代やから大丈夫やろうと思ってんけどなぁ
と振ってみると、それすら知らないと衝撃の返答。
こ、こいつ…。ダメだ。

この後、締めに横尾忠則現代美術館に行く予定でしたが
「もう勘弁してくれ…」と相棒からのギブアップ宣言が出ましたので
今回の兵庫旅行はこれにて完。

おまけ。

兵庫県立美術館は久々だったらしい相棒犬面さん。
美術館裏手、海側に立つヤノベケンジのデッカイ女の子の像をまだ見た事が無いとのだったので
行ってみた。

途中見つけた、青りんご。上まで登る元気が出ず下から見ただけ。
そして安藤忠雄ギャラリーがあったので入ってみようとすると、
「もうええやん…」と拒否られたため、今度一人で来た時に入ることにしたw

おお!すげぇ!と兵庫県立美術館きて一番の声を上げる旅の相棒。

ワールドトリガーみたいで相変わらず強そうだ。

近くに寄ってみたい犬面さんでしたが、
アベックがずっと像の近くでキャッキャうふふしてた為
近寄ること能わず。
ずっとちらちらこっちの方見てたので、
あれは絶対犬面さんを寄せ付けない様にする為に
わざとどかへんねんやろうなぁなんて思いました。
案の定、我々諦めて美術館の方に戻っていくと、
すぐさま像の傍を離れたアベック。なんやねんそれw

(令和4年9月訪問)

 

特別展「ボストン美術館所蔵 刀剣×浮世絵 THE HEROES 武者たちの物語」
兵庫県立美術館公式サイト

入場料 大人1800円
開館時間 10;00~18:00
会期 令和四年9月10日~11月20日

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