満開!横になって眺める十輪寺の業平桜。(京都)

以前に善峯寺へ紅葉を見に行った時の事。
乗っていた路線バスは、途中鄙びたという言葉がぴったりのお寺の前を通った。
そのお寺の名は十輪寺。日本史上最高の超絶イケメン在原業平さんが晩年を過ごしたお寺だ。

…ああ、かの有名な十輪寺はこんな所にあったのか。
この佇まい、この雰囲気、すこぶる興味を惹かれるわああああ。これは是非とも寄ってきたい!

…そう思ってはみたものの、見よ!この辺りの景色を。
まずバスは一時間に1本あるかないかの予感!(実際にその通りでした。しかも最終は3時台)
善峯寺へはまだまだ距離がありそうな上に(まだ1キロ以上ありました)、
ずんずん山の中へ入って行く途中なんだもんな(こっから先、壮絶に上り坂!)。
ここで下りてしまうと、善峯寺へ行くどころか駅に戻るのすら大変なんじゃ…!?
と迷っている内に、バスはあっさり小塩停留所を過ぎていってしまったのです。
…よし。今度、駅のレンタサイクルで来よう。

 

そして時は流れて、春。
十輪寺の業平桜を見に行くにあたってまずはその時の事を思い出し、
駅で自転車を借りて意気揚々と出発!
…してみたものの、めっちゃ遠いですやん!しかも、坂道きついですやん!
と、道中何度も心が折れそうになりました。
精々4キロ程の道程(駅から直線距離にしてそれくらいのはず)、何程の事やあらん!
なんて粋がってたんですがねぇ。貧弱もやしっ子にはなかなか大変でした。

向日神社から坂道を下ってまっすぐまっすぐ道なりに進んで行くと、
途中、善峯寺への看板が出ておりました。おおお!これはありがたやありがたや!
善峯寺方面の地図を持っていない身にとってこれほど助かるものはない!えーっと、後4.5キロか。
…って、え?距離増えてる???(史跡巡りをしながら移動していたので回り道になってたようです)

十輪寺は善峯寺の手前1キロくらいのとこにあった筈だから、実質あと3.5キロ。

 

ここから先、小まめに善峯寺への案内標識が出ていたので迷わずに済み、とても助かりました。

この辺りは大原野神社や勝持寺、正法寺など、花の名所としても知られる
名所旧跡神社仏閣がたくさんありますので、ハイキングがてら歩いて回る人が
たくさん居てはるんですよね(自転車移動中に何人も見ました)。
余裕があれば十輪寺の後に回ってみようと思ったのも、今回レンタサイクルを選んだ理由の一つですわ。
しかし歩いて回る人がこんなにたくさん居るのに、自転車でひぃひぃ言ってたら
あかんわなぁと少しだけ反省。

でも、こんなにしんどいんやったらやっぱりバスにしとくんだったわ…
なんてぶつくさ言いながら坂道を登り、田んぼの間を抜け自転車をひたすら漕ぎ漕ぎ。
しばらく行くと、かろうじて覚えていた秋に来た時に通った道に出ました。
…そうそうここを登ってったんだよなバスで。

小塩に着き、いよいよ山の中へと移動開始。こっからの坂がきついんだよなー。

ふうふうぜぇぜぇ言いながら登っていくと、ついに十輪寺に到着です。もうへとへと。

おおおおお!階段!
坂道を登った後の階段はかなりこたえます。
「昔の人は偉かった」でのくっすんの事を全然笑えないわ。

 

ちなみに十輪寺から善峯寺までの距離関係はこんな感じだ。
こっから先、更に1キロ以上の山道が待っておりますよ。

 

階段を登りきると山門に到着。塀越しにちらちら見える満開の桜にこころ時めかせながら
早速中へ入って受付へ行き、拝観料を払いますと…

「今、丁度満開で見頃ですよ。室内で寝転がって見るのがお勧めです」
と、住職が仰いました。へ?これは寺の部屋でごろ寝して見ていいって事なのか???

本堂へ向かいながら業平桜をじっくりタップリ観賞だ!
渡り廊下(高廊下と言うんですって)の上に覆いかぶさるように咲く、
満開の業平桜はそれはもうとても美しうございましたよ!それにしてもでっかいよねぇ!

 

三方普感と名付けられた中庭で咲く業平桜。
(三方普感の庭は本堂と本堂に渡された高廊下、そして業平御殿と茶室に囲まれた小さなお庭)
これはすごいなぁ…。自転車で来るのはしんどかったけど
来た甲斐あったわ!と早くも大満足ですわい。

本堂でお参りを済ませた後、
裏山に登れるという事で、
一旦外に出て上がってみましたところ…

 

真上から見る業平桜もとてもステキでした。

そしてこちらの裏山には、在原業平さんが塩を焼いたと言う塩竃の跡がありそちらも見学。
ふむふむ。意外と大きなものなんだなぁ…という感想。
(写真は撮った筈なんですが、保存場所がわからないので貼れない!)

で、業平さんの塩を焼く話なんですが、それって一体なんのこっちゃって話ですよね?
なんでも、塩を焼いて立ち昇る煙に好きな人への思いを託したとかなんとからしいです。
詳しい事は、「そうだ京都、行こう」の十輪寺のページに載ってますんでそちらで見てくだされ。

塩竃を見た後は再び本堂へ戻り、そこから高廊下を進んで行きます。
廊下から見る業平桜もまた素晴らしや。間近で見ると迫力がスゲェっすわ。
(裏山の崖の所にカメラやらビデオカメラやらを持つ人が何人も居た。
どうやらテレビ撮影か雑誌の撮影か何かの様だった。映り込むのが嫌なのでそさくさと移動。
茶室の写真撮れんかったよ…。)

そのまま業平御殿へ行くと、開放されている部屋が有りまして、
たぶんここが住職が言ってたごろ寝で見たらイイヨ!ってな場所なのかも!?

鞄をおろし胡坐をかいて桜を見上げて見たら、これがまたいい感じだ。

部屋の中を見回してみると、ここで寝転がって見ると云々と書かれた案内が有りましたので、
お言葉に甘えてごろっと横になり、思う存分眺めてみましたよ。
…うむ。僕以外誰も寝転がっていなかったので独り占めできて満足だ!
ただ天気がそれほど良くなかったのだけが残念でした。昼頃までは晴れてたんだけどなぁ。
丁度、夕方頃だから夕日に染まる桜ってのを楽しみにしてたんだが…。
まぁそれはまたの機会の楽しみに取っておこう。

帰り際に御朱印を頂き、
駅に向かって出発ゴー!
結局、4時をとうに過ぎていましたので、近くにある(と言っても2キロ程あるので)他のお寺は諦めて
大人しく駅に向かいましたが、どっかもう一か所くらいはと思い、
駅近郊の地図に載っていたハコモノに立ち寄ってみる事にしました。

固く閉ざされた門。安定の休館日だった向日市文化資料館。

 

以下はどうでもいいおまけ的な話。
駅に着き、自転車を返却しに行った。そう、あの借りる時に居たヘンコなオジサンとの
対決の時がやって来たのだ。
「すみませーん。」「ああ、はい。一時利用ですね?」
「へ?(なんのこっちゃ?レンタサイクルだから一時利用だよな)ああ、はい」
「じゃ、こちらで…一時利用です(大声)」
受付に行くと別のおじさんが居た。
「はい一時利用ね。○○○円です。」
「ハイどうぞ。(お金と自転車のカギを渡す)」
「え?鍵は兄ちゃんが持っとかなきゃ。」
「へ?」「一時利用でしょ?」「いやいや、レンタサイクルしてたの返却しに来たんですが」
「おい!〇〇さん!(怒る受付のオジサン)」
どうやらヘンコなオジサンは、一時預けに来た客と思ったらしいのです(自転車見たらわかるのに)。
んで、レンタサイクルとは金額も別なので、領収書返却+また領収書発行で、
受付のオジサンプチお怒り。
結局、このまごまごしたおかげで、間に合っていたレンタサイクルの返却時間を
2~3分くらいオーバーしてしまい、料金追加となってしまったのですが、
受付のオジサンの配慮で当初の料金でオーケーになりましたよ(まぁ当然なんだけど)。
ってか、受付のベテランおじさんが居なかったらどうなってたんでしょうか。恐ろしや…。

 

(平成28年3月訪問)

十輪寺
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ 桜のすばらしさ!
ヘンテコ度 ★★★★★ ヘンテコ度は無し

拝観料 大人400円
拝観時間 9:00~17:00

 

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