「そうだ柏原、行こう。」
垂井宿の次は、その場に立てば血沸き肉躍る!古戦場・関ヶ原!を予定しておったのですが、
(冬だけど久しぶりに鍾乳洞にも行ってみたかった)
レンタサイクルで垂井の街を10キロ近く走った疲れがここで一気にやって来た所為で、
あああああ!トニー!力が出ないよぅ~、状態。
ずぶずぶずぶ…と、まるで底無し沼に嵌まり込んだかの様に、
深く腰掛けた車内の椅子から立ち上がる事が出来ませぬぬぬ。
電車に乗る前にスーパーで買って食べたみかんパンも絶妙のウマウマ加減で、
腹いっぱいになっちゃったってのも原因の一つか。
大体、ついさっき乗ったばかりのレンタサイクルをまた関ヶ原でってのはねぇ…。
などと、悶々している内に関ヶ原駅を過ぎてしまっていたという悲劇。
あ!あかん!
このパターン、もうこのまま何処にも寄らず帰宅してしまう奴や。
まだ2時半なのに、これじゃぁ18きっぷが勿体ないって!
どうしよどうしよ、と考えていると…
グゥーレイト!
そうだ!あった!柏原だわ!
中山道第六十番目の宿場町・柏原宿。
柏原はもぐさが特産品で、夏には「やいと祭」という、
一丈近くもある鱒の着ぐるみを来た男達が来場者の裾をめくっては灸をすえていくという、
非常にエキセントリックな奇祭が行われる事で有名な街ですな。(嘘)
柏原宿には確か資料館があったはずなんだが、どっちに行けばええんかな?(柏原へ来たお目当てはこれ)
と、駅前に立つ案内板を見に行くと…そうそう柏原宿歴史館、これこれ…ん?
寝物語の里?なんか前に聞いた事があるような気がするが…ウウッ。記憶が…。
えーっと、確か、
近江と美濃の県境には小さな川があって、それを挟んで宿屋が建っていたんだけど、
その距離があまりにも近いので、それぞれの宿に泊まる旅人同士が寝物語に壁を挟んで
語り合ってたって話だったはず。
…念の為に調べてみたら、微妙に違う感じでした。 関ヶ原観光WEBの紹介ページ
寝物語の里って確か「昔の人は偉かった」でも行ってたとこやんなぁ。
これはええ機会やし行っとくってのも有りか、と寝物語の里までの距離を見てみると…
2キロ!しかも柏原歴史館と正反対の方向でした。
うむむ。電車は30分に1本だからそんなに困りはしないが、歩くのはちょっとしんどいかな…。
まぁ歴史館に行ってから考えよう。…そう、先送りじゃ!
中山道をとことこと。垂井宿は昭和レトロな町並でしたが、
柏原宿はガッツリ昔の宿場町ってな雰囲気です。山間にあるってのが大きいのかなぁ。
宿場町名物、「昔はここに〇〇がありました」看板もバッチリだ。
映画監督吉村公三郎さんの実家の前にあったでっかい説明書き。
柏原宿の本陣跡。
説明書きを読んだり、古い町並みを見学しながらぶらぶら進んで行ったんですが、
なかなか歴史館に着かない!
というか、古い日本家屋だらけなので、もしかして通り過ぎた?ってちょっとドキドキしはじめた頃
あ!あれか!とようやく柏原宿歴史館に到着。
へ!?
めっちゃ立派なお屋敷やん!
と、予想外の豪華な建物に少々驚く僕。
それもそのはず、入り口には燦然と輝く青銅色のあの標識。
柏原宿歴史館は登録有形文化財に指定されている建物だったのだ。
中を覗くと土間?また扉?
祭のお化け屋敷を思い出させる造りにちょっとドキドキだ。
んんんでは。
たのもー!
と声を出すと、横の部屋から女性の方が出てきはりました。
すぐさま入館料を払い館内へ…おお!
柏原宿歴史館は思っていたよりも展示室は広く、しかも綺麗。
展示してあった柏原宿ジオラマの大きさに、ふはっ!と興奮を隠しきれないでいると、
女性の方から、「柏原は初めてですか?」と聞かれたのですぐさま「ハイ」と元気よく返事。
「では、こちらでビデオを見て下さったらよくわかりますよ」と
案内されたのが、部屋の左側に作られていた映像コーナー。
んではとりあえず見てみますか、と何気なくテレビの横に目を落とすと…。
嘘!放映時間16分の文字ががが!
ま、まじで?こういう映像で16分ってのはかなりの長さじゃね?
倉敷の星野仙一記念館のも長かったけどそれとええ勝負やで!
実の所、柏原宿歴史館がこんなに立派な施設だとは思ってもいなかったので、
精々5分コースだろうから柏原の後は彦根か長浜に寄るのもええかなぁ
なんて考えてたんすよね。
…ここで16分って事は、他の部分も見学すると大体一時間近くかかるって事かな。
するってぇと次の場所に行けたとしても4時近くか。
そう、4時。ハコモノめぐらーにとってはほぼ活動終了時間となる4時でございますよ。
…よし。今日はここで締めだ。と覚悟を決めじっくりと見学する事に。
映像は垂井の歴史やもぐさについてなどの紹介。
内容はわかりやすく、なかなかの面白さでした。中でも江戸時代、
亀屋(お灸屋さん。今も営業中よ)のご主人が、お灸の効能を歌にして宣伝したのが
日本初のCMであるとか言ってたのが興味深かったですな(←ちょっとうろ覚え)
映像を見た後、部屋の中の展示物を見ていると、
「扉を開けて奥に行かれたら土蔵がありますのでそちらも見学してください」と教えてくださった。
…おおう。まだ奥にも展示室があるのか。
扉を開け、外に出ると、左側に屋敷が建っていて自由に上がれる様なってました。
んで、見学した感想ですが…。家ですわな。建築物にあまり興味のない僕はあっさり1分コースでした。
たぶん、好きな人にはたまらんのだろうけど。
屋敷を出てさらに奥へと進んで行くと、先ほど女性が言ってた通り土蔵がありました。
こちらでは柏原宿に関する資料などが展示されていて、1階展示室では道標の種類の紹介と
なかなかのマニアックさ。
他にも亀屋の宣伝の歌の資料も展示してあって、ボタンを押すと歌が流れる仕組みになってましたが、
幾ら押してもうんともすんとも言わなかった。
またかよwタルイピアセンターの映像コーナーに続いてこれかよ!
土蔵の2階では中山道69次の浮世絵がずらりと並んでおりました。
…東海道の浮世絵はよく見るけど、中山道のは初めてだなぁ。
と、土蔵の展示はなかなか面白かったですよ。
歴史館を出て駅へ戻る途中に、
来る時見忘れていた亀屋を見て行こうと思い、寄ってみると休みでした。
伊吹山はうっすらと雪化粧。
ええ眺めやで。
結局、駅に着いたのは4時頃でしたので、これにてお開き。
(平成28年1月訪問)
柏原歴史館 公式サイト
おすすめ度 ☆☆☆★★ 垂井の街を含めてこんな感じ。観光客もほとんどおらず穴場ですぞ。
ヘンテコ度 ★★★★★ 寝物語の里が気になるところだけど…。
入館料 大人300円
開館時間 9:00~17:00
休館日 月 祝日の翌日 年末
コメント