池の畔に建つ美術館。「松柏美術館」(奈良)

知人から松伯美術館の無料招待券を頂いた、随分と前の話。

松柏美術館で作品が展示されている上村松園については、
名前ぐらいはなんとか知っているぞ、ってな程度の知識しか持ち合わせていなかった為、
なかなか奈良まで足を運ぶ気にはならなかったのですが、
何時の間にか招待券の使用期間ギリギリになってしまっていた事にようやく気付き
慌てて行く事となりました。
(締め切りや、夏休みの宿題は前日までやらないタイプの人間ですので…えへへ)

ちなみにこの無料チケット、近くにある大和文華館にも
無料で入場できる優れものなんですよねー。
チケットには半券が二枚ついてまして、一人で二箇所無料か、
二人で一箇所無料かを選べます。

…ええ、勿論、一人で二箇所行くに決まってるじゃぁないか!
折角、二カ所も無料になるんだから、俺一人で行くわ!
(誘う友達も居ない。プッ。ボッチwとか言うなや!)

 

さてさて、奈良行き当日。
近鉄電車にゆられてのんびりと出発です。天気もええで!

大和文華館と松伯美術館は、学園前駅を挟んでお互い反対側にありますんで
先にどっちから行こうかな?とまず考えました。
とりあえず今までの経験から言って、遠い方から行ったら間違いないはずだ。
後に回したら間違いなく移動とか嫌になって、行くのやめてしまうかもしれんもんね。
って事で、最初に行くのは駅から遠い方の松柏美術館に決定です。

招待券には駅からバスで5分って書いてあったので、
さほど遠いこともないでしょう。
散歩がてらぶらぶら歩いて行ってみようと思い
いつもの如く駅前に在る地図を確認…って!

きえーぃ!
なんとなんと、駅前には観光案内が載っている地図が置いてなかったのです。
(大抵の駅には有る筈なんだけどなぁ。僕が気付かなかっただけかもしれないけど)
…これは一体どういうことや!
と、鼻息も荒く怒る僕。これは困りましたなぁ。

バスを待つのもメンドクサイし、
仕方ないので招待券やぐるっとパスに載っていた、
大雑把すぎる地図を見ながら
どうせすぐつくだろうと高を括って出発です。

 

(しばらく歩く)

 

んー、なんか全然わからんぞ。いつの間にか住宅街に入り込んでるし。
しかも地形が高低差激しすぎてとても歩きにくい。

そして、吃驚するほど寒いってのはどういう事!?
あれほど晴れていた大阪と違って、生駒山を越えると奈良は雲に覆われていたのです。
歩いている途中から雪がちらついてくるし、風はもうビュービューどころかゴーゴーと、
改元の風神さん大暴れ?なんて思うほど。

まあ方角は間違ってないし(と言うか、駅から真北だから間違い様が無い)大丈夫だろう。
と結構な距離を進むもまだ着かない。
もしかして間違ってる?なんて、心砕けそうになった頃に
ようやくそれらしき建物が見えて来たぞー。

池の傍に建っていて、なかなか見事なロケーションです。
橋を渡って遂に到着です、松柏美術館。

あまりの寒さに外観の見学も早々に切り上げ、
中にさっさと入っちまおうと門に向かうと…

え?
休館って張り紙があるんやけど…
もしかして…
うひゃひゃ!やっちまった?!
なんだかオラわくわくしてきちまったぞ。

もう一度、今度はじっくりと見てみると、
31日から一週間ほど展示品入れ替えの為に休館します。
という張り紙でして、どうやらうまいこと閉館一日前に来たわけでしたわ。オウ!ブラボー!

門から美術館の入り口までは庭園が続き、
桜の時期とかすげぇ綺麗じゃろうなぁと、寒さに凍えながら進んでいきますと
美術館の入り口に到着です。

おお!立派な建物やな!
すぐさま中へ入って、招待券を渡し、観賞スタート。

白を基調にした明るい館内を、ぐるぐる回って見ていきます。
展示されていた絵(松園・松篁・淳之さん、上村三代の絵)は
全体的に淡く柔らかい印象の絵が多かったですなぁ。
僕が見たのは冬を特集した展覧会だったんですけど、優しさに満ち溢れとった。

しかし作者が違うのに絵自体がよく似ておった(ように感じました)のには驚きでした。
上村ファミリーの絵だから?日本画の技法だから???アートは難しいっすな。
とか知った風に言ってみたけど、ようわかってません。

ほうほう感心しながら順路に従って見学していくと、
上村松園の作品が展示されている部屋がありまして、
ここでの鑑賞が一番感動いたしました。

…ああ、こりゃ上手い。
事前にちょこっとネットとかなんやらで色々調べて見た絵とは全然印象が違ったのです。
生で見る松園はすごかった。

中でも化粧って絵が…。
半裸の女性の絵なんですがね、これがとんでもなく…

エロい。
春画?なにそれ。ってなくらい。
直接的なものよりずっとイヤラチイ!
滲み出すエロ。これがすごいんですよ。
いろいろ裸婦の絵を見てきたけど、トップクラスの色っぽさです、ハイ。(結局エロ目線かよとか言わないで)

松柏美術館は結構辺鄙な場所(失礼)にあるのに、
お客さんいっぱいいてはりました。
しかも皆さんかなり熱心に見学されとったなぁ。
裸婦の前だけテンション上がってたアタクシ、恥ずかしおすなぁ。

 

おまけ。

 

美術館近くの大渕池公園の、噴水の裸婦像。
板垣恵介っぽい。

 

公園入口の前にある綱引きの像。
お尻を出した子一等賞だな。

 

(平成23年1月訪問)

松柏美術館 公式サイト
おすすめ度 ☆☆☆★★ 花が咲き誇る春に行くのがお得かも
ヘンテコ度 ★★★★★ ヘンテコ要素は無かったです。

入館料 10:00~17:00
開館時間 大人820円
休館日 月 年末年始 展示内容替期間

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