鳶に油揚げならぬパンをさらわれた。鴨川でのお弁当は危ない!(京都)

朝から飲まず食わずの歩き通しで、
祇園にある漢字博物館に着いた頃には
腹の減り具合は尋常ならざる状態であった。

「このまま我慢して、先に漢字行っとく?」
「流石にそれはつらいなぁ。腹減りすぎて集中できへんで。」
「やっぱ先に食っときますか。」

時刻を確認してみると
とっくにお昼は1時半を過ぎていた。
…そりゃ腹も減りますわ。

これまでなら、
ゆっくり食べてる時間が勿体ない!
ちょっとでも観光しときたい!
っちゅう事で、コンビニからのカロリーメイトが定番だったんですが
(旅の相棒は総菜パン。どちらもそれぞれの好物である。)
もうええ年したオッサンが流石にいつまでもそれじゃねぇ…。
しかもここは花の都だぜ!?

これからは落ち着いた大人な旅行をテーマにだな。
なんて言ってしまった手前、
(食事を旅行のカテゴリーに入れられてない時点で大人からは程遠いけど)
ここはきちんと食事をすることにした。
うむ、我々大進歩だな!と自画自賛である。

とは言っても、いつまでも学生気分が抜けないオッサンたちは
やはり観光を優先したいので、導き出した結論は
美味しいパンを買って鴨川で食べるという事だった。
これなら美味しさからの満足感、観光時間、両立である。

ただ問題が一つあって、
どこにパン屋さんがあるか全く知らないんだよね。
食べた後に漢字博物館までまた戻ってこなきゃならないんで
あまり遠くまで行きたくない。

丁度ここで思い返されたのは、
先程六波羅蜜寺の近くで見つけた美味しそうなパンが沢山並んでいた
可愛らしいちっちゃなお店の事だった。

「てめぇなんでさっき寄らなかったんだ!俺は買ってくかって提案しただろが!」
「行列凄かったから仕方ないやろ!」
空腹は人を鬼にする。
互いに罵りあいながら四条通をパン屋探して行ったり来たり。

だけどいつまでたっても見つけられず、
もうこうなったら出町までパンを買いに行くかと
自棄になって京阪祇園四条駅へ向かうと…
ありますやん!志津屋ありましたやん!

そう、駅の構内で京都ではお馴染み「志津屋」が営業して居ったのです。
やったぜ!  志津屋公式サイト

 

早速、各々パンを購入し、鴨川へゴー。
鴨川名物等間隔に並ぶアベックの間に陣取り、
本日のランチ、開始です。

穏やかな日差しの下、
川にぷかぷか浮かび泳ぐ鴨クンたちを眺めながらのパンは格別。
まずは一つ目、ペッパーカルネをむしゃむしゃ。うめぇ!
あっという間に完食である。
お次はデザート、名前を見てこれしかねぇ!と購入した
「ハイジのチーズクリームパン」にとりかかります。
チーズクリーム大好きなんよねぇ…むしゃむしゃ。
おお!これまたうめぇ!レーズンが実に良い感じだ!
と、にっこにこで食べてたんですが、その時事件は起こったのである。

 

残り半分ほどになったクリームパンをほお張ろうとした時、
突然頭上を何かがかすめ、パンを持つ右手に物凄い爆裂音と同時に
衝撃が走ったのだ。
バーンっっっ!
そして空を舞う我が食べかけのハイジのチーズクリームパン。

 

え?え?えっー!
何が起こったのかわからずパニックになる僕。
目の前には悠然と鴨川上空を旋回する謎の怪鳥が居た。

まじか!嘘やろ!
鷹?鷲?なんやねんあの鳥!
俺のパン返せや!

後で調べてみたら、彼奴の正体はとんびでした。
とんびと言ったら油揚げやろ!なんでパンやねん!
なんてその時は思う余裕もなく、ただただ茫然である。

しかもこいつ、パンを取り損ねて弾いただけやったんよね。
そんでもって、我がパンは鴨川にポチャンからの
どんぶらこどんぶらこと流れて行ったのでした。

 

ここからの争奪戦がすさまじかった。
まず泳いでいた鴨クンたちが食べに行くも、
空中からいつの間にか何羽にも増えたとんびたちが参戦し、奪い合いは激しさを増す。

そういや、鴨川でお弁当を食べる人が鳥に襲われるというニュースを
随分昔に見たような気がするなぁ。
ネットで調べてみたら、ケガした子供もいるらしいんで
パンを奪われただけで済んでよかったと思いました。
ほんと、鴨川でお弁当・パンなど食事するのは要注意ですぞ!

ちなみに、一緒に食べてた友人は
あまりの空腹で、着くなりがつがつさっさと食べた為に被害なし。
そんな彼は「こういう酷い目にあうのは俺の役割やのになw」
と少し残念な感じで笑っておりましたw

(令和四年一月訪問)

 

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