半兵衛さんマニア垂涎の資料館!菁莪記念館(岐阜)

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「そんな難しい道教えんでも、川沿いに真っ直ぐ行った方がわかりやすいやろうが。」
「いやでもこっちのほうが近いやろ。」
目の前で繰り広げられる観光案内所の爺ちゃん達の言い合いは、
つんけんした感じは全くなく、まるで漫才を聞いているみたいで楽しかった。

ベテラン案内人らしき方の爺ちゃんから置いてあった観光マップを渡され、いよいよ出発の時。
「んじゃ、兄ちゃん。時間は2時までやからね。」
「え?」
「ん?」

…2時?
レンタサイクル返却時間はかなり早めの14時でした。
おおおおお…。ただいま時刻は既に12時過ぎなので、
今からだと2時間しか使えないって事か。

ここで貰った地図によると、今から行こうとしている竹中半兵衛さんの史跡までは、
およそ片道4キロ程の距離だから、往復1時間として…まぁギリギリ帰ってこれるかどうかって所か。
という事は他の場所へ寄る余裕はないって事だよなぁ…。
竹中氏陣屋跡とは反対側の方向になるけど、資料館とか国分寺跡とかあったから
そっちにも行ってみたかったけど…。むむぅ。
だけど観光地としてそれ程売り出していない街で、レンタサイクルが有るだけで有難いんだから、
贅沢は言っちゃいけない。ちょっとハードな感じになりそうだが頑張りゃいいだけだからなぁ。

困惑するオイラを見た爺ちゃん、
「陣屋跡まで遠いけどガンバレ。しんどいやろうけど大丈夫や。後、二時に間に合わんでも、
この人は4時までここにいてるから気にせんでええよ。気ぃつけていきや。」
「へ?」
「ん?」

…お、お爺ちゃん、
それって結局、返却時間は4時までって事とちゃうん?
面白すぎてお互い笑いが止まんなかったです。

爺ちゃんが案内所の奥から出してくれた自転車には、
「長束正家号」との張り紙ががが!
おおぅ!これは胸キュン。こういうちょっとした小ネタは嬉しくなるわ。
それにオイラ西軍ファンだからこのチョイスはたまらん!
これ、福島正則とかだったら即座にチェンジです。
だけど、長束正家ってのが渋いなぁ。
関ヶ原に布陣していた武将から選んでるんだろうけど
沢山居た武将の中から長束正家を選んだそのセンス、大好きだ。
(案内所には何台自転車があるのかきいときゃよかった。
やっぱり一番人気は島左近号だと思うんだがどうだろう。)

さあ行こうか相棒!
長束正家号。

地図をもう一度確認し、ベテラン爺ちゃんが言ってた川沿い目指して漕いでいきます。キコキコキコ…。

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こっから川沿いを行けばいいんだな。
とりあえず川向こうに渡ってから…

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と思ったんだけど、こっち側の川沿いの道を見てみると、おお!桜並木や!
花見時には素晴らしい景色なんだろうなぁ。と妄想逞しういたしましたので、
川を渡らずこちら側を進んでみる事にしました。

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少し進むと左側に公園を発見。
桜の頃はお花見客で賑わうだろうなぁなんて思いながら見ていると…何かいるぞ。
近くに寄ってみると、そこにはいい味出まくりの変わり種ブランコがありました。
インディアンなのかなぁ。というより、注目すべき点はやはりブランコがかかっているその細い腕だろう。
今にもポキッと折れちゃいそうなくらい細い腕。
強度的には大丈夫なんだろうかと思わず心配になる細さだ。

大人が乗ると中々の恐怖感が味わえそうです。

垂井は中々のヘンテコさだなぁとふはふはしまくりです。

さて。
この後、川向こうに渡り、爺ちゃんが言ってたようにひたすら川沿いを進んで行くのですが…
これがしんどい!
4キロくらいなんてことないや!とか思ってましたが
(通勤で毎日往復20キロ近く走ってた事もあったんだから…)

まず風が強い!向かい風だったのでいくら漕いでも全然進まないんですな。
歩いている方が速いと思うくらいのスピードですわ。
そして何と言っても道が酷かった。一応は整備されてるんだけど、なぜか石ころたっぷりの砂利道で
走るたびにゴリゴリ言って、全く進めない状態だ。
タイヤがパンクしないかどうか冷や冷やしっぱなしだったのが地味にきつかったです。

 

爺ちゃんに言われたとおりに進んでるのですが、
周りには目印になるようなものは全くなく、変わり映えのしない長閑な田園風景が続きます。
田んぼだらけやで!
いくら進んでも案内の看板は見当たらないし、気付いたら段々川から離れて行ってるし!
もしかして道間違えてる?と不安になり始めた頃、交差点に到着。
…これどう行けばいいんだろう?
地図を出してみるも風が強くて広がらず。何とか開けたら、広域図なのではっきり場所がわかんねぇー。

ええい、いくら進んでもそれらしき場所に着かないって事は、一本くらい道がずれてるに違いない。
竹中氏陣屋跡は菩提山麓のはずだから山の方にすすみゃいいはずだ!(見回したら山だらけなんだけどね。)
と、ここで直進を止めて右折。(ホントはまっすぐが正解でした)

右折後ずんずん進んで行くもまたまた途中で不安になり、
今度は大きな道に出たところで左折(曲がって正解でした)。
しかし何時まで経っても全然案内の標識は出てこないし、観光案内図も見当たらないし、
どうなっとんねん!

とプリプリ怒りが込み上げてきたところで…

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ようやくでっかい案内看板があったー。
ってか、これは自動車で来た人用の看板なんやなぁ。
自転車で走ってると嫌でも感じるんですが、垂井観光のメイン手段はやはり車みたい。

あと1キロか…。さて、もうひと頑張り。
だけどここからは緩やかだけどだらだら続く上り坂で、
既にへとへとの僕は大ダメージを受ける事となりました。
しばらく登って行くと…なんか古いのか新しいのかよくわからん不思議な建物があるぞ!

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ついに到着、菁莪記念館。(←せいがきねんかん。読めない)

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館の前に立っていた説明書きを読むと、
なんでも菁莪記念館は岩手の旗本竹中氏(半兵衛さんの子孫)が建てた菁莪堂を元にして建てられ、
名前になっている菁莪とは詩経の中の一説から採られた人材を育成する事の意味らしいです。
むっつかすぃー。

んで、館内では竹中氏関連の物を中心に資料が展示されているとの事。

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菁莪記念館周辺はこのようになっております。
えーと、陣屋跡はすぐ近くで、半兵衛さんの居城菩提山城は…こりゃ無理だな。
ここまで来るだけでへとへとなんだからハイキングコースを歩くとか無理ゲー。
大人しくさっさと菁莪記念館へと移動っす。

入口へ行き、中を覗いてみると…無人?
これは勝手に入ってええんか?
というかもしかして休館日?
恒例、来てみたら休館日をやらかした!?
と、ドキドキしつつドアに貼られている案内書きを見てみると、
グッズ購入希望の方は隣の公民館まで、みたいなことが書かれてありました。

こりゃぁ閉まってたら公民館まで言いに行けばいいって事か…と少しホッとしていると、
どこからか子供ちゃん達がやって来て、横にあるドアから中に入ってすぐさま外に出て行った。
どうやら隣のグランドに野球しに来た子供らしいけど、何で入ったんだろう?
もしかしてこっちから入るんだぜ!と教えてくれたの?

まぁなんだ。ドアが開いていて良かったわ。
子供ちゃん達直伝の方法で中へ入ってみると…

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雑然と置かれた資料群。あまり人の出入りがないような埃っぽさ。
何!この物置感の強さは。
と、ほとんど来館者が居なさそうな雰囲気に、
マニアックハコモノ大好きな僕はウッキウキなのです。

展示されていた物は興味深いものが多く、
その中に竹中半兵衛さんの銅像写真があったんですが、
これは駅前の銅像とは違って陣屋跡にある銅像らしい。
…でも陣屋跡ってこっからすぐ近く、というか横にあるんだよね。
それなら本物見に行った方がゲフンゲフン。

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菩提山城の復元模型。ジオラマはやっぱりいい。
先に菩提山に登っていたら、見応えタップリだったんだろうなぁ。

玄関口に置いてあった資料群を見学した後、
やはりどうしても気になるのが固く閉ざされたお座敷の襖。

…なんですが、しーんと音も無い館内は中々不気味なものでして、
襖を開ける勇気がなかなか出てこない。

もし中に誰かいたりなんかしたら…びっくりしちゃうよね!
とか、ショーもない事を考えつつも、開けないことには始まらないんで、
腰を些か引きつつ、ええいっと!

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開けると、部屋の中にも展示物がぎっしり。
…なんや色々あるで!
そんな展示物の中、一番目を引いたのは…

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作り込みが半端なかった竹中氏陣屋跡付近模型。
この記念館近辺の高低差が実によくわかる作り込み具合に感心。
この傾斜、そりゃ来るのしんどかったわとガッテンガッテンガッテン。

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半兵衛さんと言うか竹中氏に関する資料がたくさんありましたが、
ほんまかなりのマニアでなきゃ楽しめないレベルの資料ばかりで唖然とするばかり。
俺なんて、精々飲み屋でくだまいてるおっさんレベルやからなぁ。
それでもふむふむわかった気になって資料を見ていたんですが、オモロイのを発見!

半兵衛音頭!

 

(平成28年1月訪問)

菁莪記念館 垂井町観光協会さんのサイト
おすすめ度 ☆★★★★ 遠すぎるのとマニアックすぎる!
ヘンテコ度 ★★★★★ ヘンテコ要素なし。

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