樽見鉄道に乗って日本三大桜「薄墨桜」を見に行く。(岐阜)

平成27年度、春の日帰り・青春18きっぷ旅行のトリを飾るのは…
岐阜県根尾谷に咲く日本三大桜の一つ「薄墨桜」を見に行こう!
でございます。

えー、先に感想を申し上げますと、この岐阜への花見旅行は
今年上半期で最も印象深い旅となりました。
…いやいや上半期どころじゃないな、
今までに行った旅行の中でも五本の指に入ると言っていい位。
薄墨桜にまつわる逸話に感動したり、
行きの電車でもみくちゃにされたり、と想い出がいっぱい。

 

毎年、桜が咲く季節になると
いつも根尾谷行の計画を立ててはいたのですが、
桜の満開時期が年度毎にかなりのずれがあって、早い時だと三月下旬、
遅い年だと4月中旬から下旬にかけてと言う、
そのあまりにもの幅の広さに中々タイミングが合わず
ずっと行くのが躊躇われていたのでした。(18きっぷの期間を過ぎる時もあるんだな)

ですが今年は天候も良し(天気予報では曇りから晴れマーク)、
体調も何とか良し(花粉症がちょっとマシだった。山の中だけど大丈夫だろう)
全てが上手く重なったので、ようやく重い腰を上げて行ってみる事に。

薄墨桜のある根尾谷へは、
大垣駅から樽見鉄道に乗り換え
終点樽見駅まで約1時間程の電車の旅となっております。
大垣から樽見までの区間は18きっぷが使えないのがちょっと残念ですが
それはまあ仕方のない事。
他の移動手段だと車で行くしかないので、
樽見鉄道に乗るのは決定事項であります。

大垣駅での樽見鉄道との乗り継ぎ時間等を考える為に
まず最初にするのは時刻表とのにらめっこ。
んー。一番早く樽見に着くのだと大阪を6時50分出発か。
まず起きれないだろうからこれは無理だな。
その次だと到着が12時頃になるけど8時出発で済むのか。
これだと時間的に薄墨桜見物だけで他は回れそうにないが、
花粉症による体調の事も考えるとこれしかないよなぁ。
ってことで大阪8時出発に決定です。

新快速に乗って米原へ行き、
乗り換えてすんなり大垣に到着。
ここまでは名古屋旅行なんかでもう慣れっこなので
至ってスムーズです。

そうそう、大垣は我が故郷なので
大垣駅を利用しまくってはいたんだけど
樽見鉄道を見るのも利用するのも実は今回が初めて。
養老方面の電車は見た事はあるけど樽見鉄道ってのはどんなんなんだろ?
初めて見る樽見鉄道にちょっとドキドキワクワクウキウキです。

さて、樽見鉄道の乗車券ですが、
大垣駅前にチケットショップがあった様な気が。
出発時刻まではまだ10分近くあるので買いに行ってみるかな、なんて思ったんですが、
果たして樽見鉄道の切符が売っているのかどうかわかんないのよねぇ。
わざわざ買いに行って券が無かったら時間が勿体ないだけなので
ここはそのまま乗車券売り場へ移動です。
たしか一日フリー切符ってのがあったはずだし。
(2000円でうすずみ温泉付きのチケットが販売中。通常だと大垣-樽見は片道980円)

駅構内をとことこ移動して樽見鉄道乗り場へ。
…あれか。

赤みがかったピンク色の小さな車両の周りには既に人だかりが!
まだ出発前なのにもうこんなに人が居るの?
慌てて券売所はと探してみると、電車が待つ位置より更に奥の方に発見。
そしてそこにもたいそう長い行列が出来ていたのであった。
やべぇ。
電車の発車時間にはまだまだ余裕があったものの、
この人の多さを見てちょっと焦ってしまう。

フリーチケットを買ったほうがええかな。
温泉にも入りたいけどそんな余裕あるかな?
でも、樽見駅の一つ手前の駅にはハコモノがあったから
そっちにも寄りたいし…。どうしようかなぁ。
なんて考えながら並んでいると、グイグイッ!
後ろから激しい当たりが!な、何だ?
振り向いてみると、そこには早く乗車券を買いたいらしきオッサンがいた。
二列で並んでいたので、隙あらば横入りしようとしてたみたい。
可愛い女の子にグイグイされるのはいいけど
オッサンにはされたくないわ…。
ちょっとテンションが下がる。

結局、悩んだ末にフリー切符は買わず、大垣-樽見間の乗車券を購入する事に。
そうそう、樽見鉄道の乗車券は昔懐かしの厚紙のような
固くて分厚い券だったのがちょっと嬉しかったです。

切符を購入後、すぐさま乗る予定の車両の前へ行ってみると…
これはまさかの一両編成じゃないか!!!
車内は既に満員状態でドアの外にまで人が溢れてるぅぅぅ。
う、嘘だろ…。
中の様子を見てみると朝の満員電車をハードにしたような状態でした。
…戦後間もないころの買い出し列車?
インドの満員電車?(屋根の上に人はいないからそれよりはましか)

この光景を見て
これなら一本遅らす方が良いかな?
なんて事を考えましたが、これを逃すと次は1時間後なんだよなぁ…。
大垣観光しながら待つってのもいいんだろうけど、
それだとこの時間に来た意味がないし…。

あれこれ考えた末に、意を決して乗り込んだ。
駅員さんが「中の人はもうちょっと奥の方へ行ってください」と誘導してくれた為、
車両の前部分に少しだけスペースが出来たのでそこをゲット。
乗り込んでからしばらく経つと、乗る事が出来なかった大勢のお客さんを残して
電車は出発した。
(後で時刻表を確認したら30分後に臨時列車があったみたい。
 どう考えてもそっち乗った方が得だった)

ガタンゴトン。出発して数分も経たないうちに…もうしんどい。
車内は全く持ってギューギュー詰めなのだ。
これ以上というのは絶対にない程のギューギュー詰めである。
あちらこちらから圧迫されて、体勢は自然とジョジョ立ち状態に。キツイ!
…このままの状態で一時間乗ってなきゃならんのでしょ。体、大丈夫だろうか。

だが体のキツさに反して、
目の前には素晴らしい景色が広がっていた。
途中途中の線路沿いには桜の名所らしき場所もたくさんあって、
(谷汲口と言う駅の桜が特に綺麗だった。谷汲山華厳寺の最寄り駅でお寺は桜の名所らしい。)
多くのカメラマンが電車と桜のコラボ風景の撮影をしていた。
それらのカメラマンを見つけるや否や、すぐさまカメラに向かって
一斉に手を振る車内のオバちゃん達。
ギューギュー詰めで大変なのに、何なのその余裕?
そしてみんな反応早すぎ、ノリ良すぎw

電車は平野部を進んで行き、そして段々と山の中へ。
渓谷部分を抜ける時の眺めが特によかったなぁ。
でも川の上を走る時は怖いくらいでした。
それにしても絶景。車窓からの景色最高!
…のんびり座って眺めていれたら最高だったろうな。

線路沿いにある道路を見ていると、
樽見駅のだいぶん手前から大渋滞してました。
…やっぱり電車の方が正解なんだろうな。でもこの窮屈さはキツイゼ。

横にいるおばちゃんに人生初の壁ドンまでして耐えた1時間。
ようやく樽見駅へ到着です。

 

オシャレな雰囲気満載の終点樽見駅。
円状の広場に弧を描くように駅舎が作られていて、屋根の下には椅子がたくさん置かれ、
そこに座って次の電車を待つ大勢の人達。
ひえぇー。マジか!朝からこんなに人来てたって事やんな…。
この様子だと帰りの電車もエライことになりそうやな…。

 

駅舎近くの桜を観たりちょっとうろうろしてみたよ。
男塾に出てきそうな人の銅像がとてもカッコよかったです。
(宮脇留之助さん。樽見まで路線を引っ張ってきた人らしい)

駅員さんに薄墨桜の案内地図や時刻表を貰い、薄墨桜へ向けていざ出発。

 

駅から薄墨桜までは徒歩15分。
坂を下り、川沿いを歩き、橋を渡って行く。
着くのが昼頃だったので昼飯を食べられる所なんかあるかなーと心配していたのですが、
コンビニなどはなかったものの、喫茶店や飲食店が何軒かあったので
ホっと胸をなで下ろすのであった。

山間の雄大な景色を楽しみながらずんずん進む。
それにしても昼頃から晴れると言っていたお天気が、
良くなるどころかよりいっそう曇ってきていたのだけが心配。

満員電車のダメージですっかり忘れていたうすずみ温泉ですが、
ここまで来たらやっぱり行ってみたくなりますわなぁ。
やっぱりフリーチケット買っとけばよかった。

一応、念のためにシャトルバスの時刻表をチェックしてみたものの、
どうもうまく時間が合わなさそう。
帰りに上手く時間があえば行ってみたいなぁ。

 

根尾川にかかる薄墨橋を渡ると道は一気に急になりました。

移動途中にあった地図を確認。
おお!なにこのさくら資料館って!そんなのあるんだ!
(まったくノーマークだったのでハコモノめぐらー歓喜の瞬間です)

 

いやぁ、結構しんどいなぁ。
周りのお爺ちゃん達よう平気な顔してずんずん進んで行けるわ。ふぅ…。
ちょっと止まって辺りを見回してみると、結構登って来たんだなぁと高低差にビックリ。

遠くの方には雪山が見えた。
あれはどこなんだろうと眺めていたら、
上から下りて来たお婆ちゃんに「あれは何の山なの?」って
突然聞かれるイベントが発生した。
え!?わからずに見ている僕にその質問とは…。
無難に「僕もわからないんですよー」、と最低な答えを選択してしまった。
長野の方なんかな?日本アルプス?(知ってるのはそれくらいしかない)

お婆ちゃんイベントをクリアした後、そのまま坂を進んで行きますと…

グハッ!いきなり薄墨桜が見えてしまった。
それもなんだかごちゃごちゃした中にあまりにもあっさりと。
心の準備も何もしてないうちに見てしまったので、え?え?ってな感じでした。
初見の感動は全く味わえなかった…。

 

右側に作られていたのは屋根付き休憩所。
そして左側には食事処や売店などがずらり。
休憩所は売店で買ったものを持ち込んでお花見している人でいっぱいでしたなぁ。
薄墨桜は山の方にあるからきっと鄙びた場所なんだろうなと勝手に思っていましたが、
すっごい整備されてて、これは完全にお花見スポット!と驚きを隠せない僕。
桜周りの芝生でもあっちこっちでお花見開催中。
めっちゃ愛されとる!

 
初見では、周りがごちゃごちゃしていたのと、
遠くから見た所為かあまり桜の雄大さを感じる事が出来なかったのですが、
近寄って見て吃驚仰天。…これはすごいわ~。

何度も何度もぐるぐる周りを回って桜見物。
なんとなく古武士のような桜だなと思った。いや仙人様かな。

 

俳優で例えるなら加藤嘉だ。
と訳のわからんことを思いながらじっと観賞です。

薄墨桜の後方の山の斜面には薄墨観音堂がありまして、
その手前に二代目薄墨桜が咲いておりました。
こちらの二代目も立派でとても美しかった。

観音堂へお参りにいくと、御朱印を頂けることを知って愕然とする。
ここにお寺があるとは知らなかったので、朱印帳持ってこなかったよ。

薄墨桜の近くでなにやらチラシのようなものを配っている人が居たので近づいてみると、
観光ボランティアの方で、訪れた観光客に薄墨桜の歴史などを伝える人でした。
僕もチラシを貰って説明を聞いたんだけど…すごい話やな。

ざっと概略。
継体天皇お手植えの樹齢1500年の桜。
一度は枯れたものの、前田利行翁の治療により復活。
だが台風による被害に合い、再び枯れる危機に瀕するも
宇野千代をはじめとする人々の手により再び蘇ったというお話。
この話を聞いてから、また桜を観たらなんか泣きそうになった。ちょっと感動したわ。

話を聞いた後はさくら資料館へと向かいます。
こちらもまた凄かった
(真面目な展示なんだけど、ふんだんにマネキンを使っているので珍スポ度が凄かったのだ!)
さくら資料館はボリュームたっぷりなので別記事にて。

 

資料館を出てもう一度桜を観に行ったんですが、
桜にまつわる様々なストーリーをより深く知ってから見るのは
格別なものがありましたわ。

薄墨桜。見れば見るほど好きになるわ~。

たっぷり楽しんだし、そろそろ戻るかなぁ。
折角なんで来た道とは別の道で帰るかなと進んでいくと…
こっちの道、めっちゃお店や屋台が並んでるやん。
お寺の参道のようにいっぱい出店ありますやん。
俺の登って来た殺風景な山の斜面とえらい違いですやん!と絶句。

こちらの道は駐車場から上がってくる人用の道で、
なだらかな道になっていてとても歩きやすかったです…。
どうやら電車で来る人より車で来る人の方が多いみたい。
駐車場には車と観光バスがぎっしり。
そりゃこんな遠い場所だったら車の方が便利だわな。

なんか悔しかったので、
ここで食事をとるのはやめて大垣で食べることにしました。
大垣はホームグランドだからなぁ。お店もいっぱい知ってるし。
だけどこれから1時間近く又電車に乗らなきゃならないから、
ちょっとおやつ代わりに何か食べとこうと思って選んだのがこちら豆腐田楽!

田楽をハフハフ頬張りながら駅に戻ると…。

電車もう来とるやん!
…これ逃したらまた1時間待ち?ひぇー。

すでに満員。というか帰りもまた一両編成なの?
乗り過ごしたらえらいこっちゃと慌てて駅舎に戻ったんですが、
発車時刻を見てみると…。すぐ出るどころか出発まで20分もありました。
ちゃんと時刻表は確認しておこう!

行きよりは車内は空いてはいたものの、それでもずっと立ちっぱなしは中々のしんどさ。
一駅隣のハコモノに行く気力もなくそのままボーっと車内ですごし、
1時間後に予定通り大垣に到着。
米原行きの電車の時刻を見てみると、20分後か。
観光するには時間も少ない。ご飯を食べるのにもギリギリすぎる。どうしよう。

…そうだ!金蝶園だ!

大垣名物水まんじゅうを販売する老舗和菓子屋、金蝶園。
子供の頃から帰省しては食べまくっている大好物の和菓子。
(一度に20個程食ってお腹痛めた事も有った。アホや。)

 

美味いっ!

(平成27年4月訪問)

薄墨桜 本巣市観光情報の薄墨桜のページ
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ 電車の込み具合が凄いけどそんなの関係なく見に行くべし。
ヘンテコ度 ★★★★★ ヘンテコだったのはさくら資料館。

夜間ライトアップ有

 

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