おおおおお!ほんとにこの道で合ってるのかよ?
ぱらぱらと小雨の降る中、自転車を漕ぎ漕ぎ進んで行った田舎道は、
畑の間を抜けるとずんずん山の方へと伸びて行った。
あまりのひと気のなさと、鬱蒼とした山の中というロケーションに、
ここはほんまに明日香の観光ルートなん?と心配になり始めた頃、
亀石に行く前に寄るつもりであった鬼の俎・雪隠に到着した。
山の斜面を通る細い道の下側には、ごつごつとした巨大な石。
どうやらこれが鬼の雪隠のようだ。
近くにあった説明書きを読むと…ふむふむ。
そこにはなかなか恐ろしい文句が並んでいて、周りには誰もおらんし、天気も悪いし、
と、今のこのシチュエーションは鬼が出て来るにはピッタリだという事に気づき、
思わず怖気を振るうのであった。
そんなこんなをつらつら思いながらも、
「ごぶごぶ」で浜ちゃんがぶつくさ文句言いながら見に来てたんだよなぁ、
なんて事を思い出したのはご愛敬でございますな。
しかし、バスとかで見に来るにはなかなか大変な場所だ。
やはり明日香観光は自転車に限る!と改めてレンタサイクルの偉大さを再認識した後、
今度は山の斜面の上側にある、鬼の俎を見に行ったら…
…
…怖ッ!
階段を上ると開けた場所に出たんだけど、
周りは木々が生い茂って薄暗さ極まりなく、めっちゃ怖いと言う他なかったです。
こりゃ鬼の伝説も語り継がれるわと納得だ。
今よりももっと開けてなかったであろう当時、明日香人にとっては
恐ろしいどころではなかったんだろうなぁ。
と、誰もが思うであろう感想を残して足早にその場を後にするのでした。
鬼の俎・雪隠からまっすぐ道なりに進んで行くと大きな道に出た。
地下道を潜り道路向かいに出て、山の方へ細い道を進んで行くと…
へ?いきなり!?
…嘘でしょ?まだ何の心の準備もしてへんねんけど。
民家のガレージと言いますか、
ちょっとした野菜の無人販売所のような場所の隣に突然亀石が現れた!
何!?こんな目立たない場所でなの!?
亀石は明日香の奇石群の中でも一番メジャーなものだから、
もっと開けた場所で、めっちゃ観光向けに整備されてると思ってたんだけどな。
…びっくらこいたわ。
ネムネムな表情が激キャワな亀石。
飛鳥資料館で偽物(レプリカと言いなさい)を見た事はあったんだけど
ようやく本物を見る事が出来ましたよ。
(ちなみに飛鳥資料館のレプリカの方が広い場所にきちんと展示されてるのが
なんだかちょっとかなすぃーのである…)
見た目の可愛らしさとは裏腹のなかなかダークな伝説を持つ亀石君を見学していると、
遠くの方から大きな歓声が聞こえて来た。…な、なんじゃ?
ビックリしてそちらの方を見てみると、そこには砂煙を挙げて自転車を漕いで来る
テンション高い一団が居た。
な、なんか北斗の拳に出てきそうな感じやな。
大学のサークルか何かなのかな?
10人近くの集団が一斉に畑の横に自転車を停めて亀石の前に集合。
…するや否や、うえーぃと大声あげながらポーズを決めて自撮り棒で記念撮影すると
あっという間に走りさっていった。
呆然とする僕とその場に居たツーリング中のオジサン。
…ああいう青春に少し憧れを抱いていたのだけど、実際目の当りにすると少しイラッとするネ!
亀石見学後は雨もほぼ止んだ状態になり、これなら何とか持ちそうだなと一安心。
さぁて次の場所へと向かいますか。
…って、あれ?ここらへんって橘寺の場所やん…な?
と、これまでに何度も近くを通った事がある場所に居た事にようやく気が付いたのでありました。
(平成27年11月訪問)
コメント