謎の書道資料館に行ってみた!「和歌山県書道資料館」(和歌山)

まるで休日の会社のようなその館内、
博物館っぽい部分はどこにも見当たらなかった。
でもなぁ。表の看板には資料館と書いてあったので
間違いはないはずなんだけどなぁ。ホントここであってるのかしらん?

昼下がり、照明が落とされた薄暗い館内。
キョロキョロと、展示室はどこ?
と辺りを探してみるも、まったくそんな場所は見つかりません。
コレ、もしかして受付が上の階にあるとか?
でも勝手に上がってもええもんなのかな?
んー。
窮した挙げ句に助けを求めて覗いた、
併設されている喫茶店には誰も居なかったのでした。

やっぱりここに行くしかないか。
と覚悟を決めて向かったのは、
正面の明かりのついた事務室のようなお部屋。(最初から行ったらええのにね)
覗いてみると、中にいた仕事中らしき女性の方と目が合いました。
心なしか、女性の方が、え?っと戸惑ったような表情をしたような気が。
まぁそりゃそうですわな。いきなり190センチオーバーの、
どう見ても書道なんかにゃ興味のなさそうな

安定のジャージスタイルの奴がのそっと入ってきたんですから。

人見知りの男が頑張って尋ねてみたよ!
「ここって、書道の資料館であっているんですか…?」
よくよく考えてみたら、これ凄い失礼な質問だよね。
食堂に行ってご飯ありますかと聞くようなもんだもん(違うか)
看板出てるだろ!と罵られても仕方がない行為である。

「あ、はい。そうですが」
「あ、あの、それじゃ入館料とかは…」
「あ!(こいつ客か!?)そ、そうですね、ちょっとまってくださいね」
なかなか話がかみ合わない感じがすごく楽しかった。

女性の方のこの様子だと、たぶん、来館者と思われなかったみたい。
こんな土曜日の午後に来館者が現れるのは珍しいってことなのかな?
ということは…。
この資料館、かなりのマイナースポットなのかもしれない!?

…ゴクリ。これは期待できる。かなりの心砕ける廃人スポットの予感だ!

入場券を受け取りますと、
「じゃあご案内しますね」と言ってくださいました。
え?案内?そんなに親切に…。
こちとら書道にはてんで興味がない人なんでそんな事されると
すごい申し訳ない気持ちでいっぱいになるのですが…。
と、思いっきり戸惑っておりますと…

「ええ、鍵を開けますので」と言わはりました。
…え?鍵閉めてるの?
ここでいの一番に思った事は、「貴重なものが多いので防犯対策」という事では全くなく、
誰も来ないから開けておく必要もないので、来館者が来るたびに開ける。て事だ。
うほほほぉぉぉ。ちょっとこれはすごそうじゃないか!

 


関西あちこちの博物館が無料になる、関西文化の日に和歌山にやってきて、
これまで、和歌山市立博物館、和歌山県立近代美術館、和歌山県立博物館と回ってまいりました。
そんなこんなでお昼も過ぎてしまい、空腹もピーク。
トルネコで言うならすでに満腹度は5%以下になるくらいのピンチ!

ああ!もう限界。
はやく和歌山ラーメンを食べなきゃ…と、
昼食は此処でと決めておいた和歌山城近くのラーメン屋さんへ急いで向かう事に。
おっと、詳しい場所がわからんぞ。慌てない慌てない。ちゃんと確認しなきゃなと、
観光案内所で貰ったラーメンマップを見てみますと…

ぎゃ!もう昼の営業時間すぎているじゃないか!

嗚呼!なんということでしょう。
ハコモノ巡りに夢中で2時をとっくに過ぎていたのです。
…こ、これはまずい。この流れは、絶対ごはんにありつけないパターンですやん。
どうするどうするどうする。他にどこかないか…。

そうだ!葱いっぱいのラーメンの店だ!
と前から一度行ってみたいと思っていたお店を思い出したのでした。
すぐさまラーメンマップで確認すると、
都合の良い事に次に行く予定のスポーツ伝承館へ行く途中にあるではありませんか。
よし!君に決めた!

さてさて。
食べる場所が決まり、時間にも少し余裕があることがわかると
もう一カ所くらい無理してでも行っておきたくなるのが人情ってやつですわねぇ。
そこで、当初予定していなかったお城近くの和歌山県書道資料館という場所に
寄っていくことにしました。

こちらの施設、無料になる対象の日が2週間後だったのですが(それで外してました)、
その時にわざわざまた和歌山に来るなんてのは現実的でないし、
そもそも入館料も300円と安いんで行っとくしかないですわね。

事前に書道資料館の場所を地図で調べといて良かったよ。
と一人ほくそ笑む僕。
確か、ちょっと道の入り組んだ場所にあるっぽかったよな(調べといたといいながらうろ覚え)。

こういったとき、調子に乗って、ちかみちだー!と、住宅街や路地などに入ってしまうと
結果迷って余計に時間がかかってしまっちゃうんだよね。(何べんもある)
ここは急がば回れ、わかりやすい大きな道から攻めて行くのが正解だ!

一度、和歌山城の北側けやき大通りまで出て、西に進んでいきますと、
たぶんここらへんかなぁと言う辺りに目印に覚えていたロイヤルホストがありまして、
そこを曲がるとすぐに見つかった!

たぶんここのはず。
だけど、なんだか金持ちの家みたいだな。

正解!

そして、中に入ると…冒頭のような感じで戸惑ったのであります。

 


お姉さんとエレベーターに乗り3階へ。
「どうして来られました?」なんて、どうにも答えようのない質問をされ焦る焦る。
興味のない博物館を巡るのが趣味でして、なんて答えれるはずがないのだから…。
えー、近くまで来たので云々と、あたりさわりなく答えた…つもりでしたが、
よくよく考えてみると、この資料館は近くまで来てぷらっと入るような所でないことは明白なので、
お姉さんもこいつ何言ってるんだと思ったに違いないでしょう。

さて、3階へ着き、展示室のカギを開けてもらいました。
思わず、「どうもわざわざすみません」と言ってしまい、更に変な空気に。
お姉さんも気をつかってくれたのか「ええ、いつもの事ですから」と言わはって、
ますます変な空気になったw

展示室は、大学とかの教室くらいかな。
ぐるりと壁一面に、掛け軸が展示されておりました。
ああー、見事に訳が分からない。すごいものかどうか、
上手いのかどうかなんて全くわからない。
いかん。入ってすぐ観賞終了だ。
5分コース(あまりにも興味がなかったり、がっかりだった時は大体見学時間5分くらいなのね)
だとは思っていたけど、これ1分コースで史上最短記録更新だわ。うん、もう帰りたいw

でもなぁ。
お姉さんには一緒について来て貰って、というか、
わざわざ仕事を中断させてまでして開けに来てもらっているので
すぐに出るわけにはいかないんだよねぇ。

…はっ!待てよ。
お姉さん、もしかしたら展示場を閉めるために、見終わるまでここで待っているつもりなんだろうか。
見学開始1分でもう見学終わりましたなんて言えないぞ。
これはもしかして大ピンチ?
オラ、わくわくしてきちまったぞ!

そんな絶賛困惑中のオイラに、お姉さんが色々と説明してくださいました。
なんでも天石東村っていう人の作品がこの部屋で展示されているとの事。
他にも色々と書道の事について説明をしてくれたんですが、
全く意味が分からなかったという悲しさ。
まぁわかったような振りをしておいたのが大人のずるい所ですな。
(完全にこいつわかってないってばれてただろうけど)

説明が終わると、お姉さん、
「受付へ戻ってますのでお帰りの際お声をかけてください。どうぞゆっくり見て行ってください」
と残して、戻って行かはりました。

…ホッ。
ずっと居てはったらどうしようかとドキドキしっぱなしだったよ。
まぁある意味、ワクワクしっぱなしでもあったのだけどw

しかしゆっくりもなにもこれは…。興味が全くないのでどうしようもないんだな。
とりあえず展示室内をぐるっと見て回る。そしてすぐに見て回ってしまったw
そうそう、展示室内にはなぜか茶室っぽい建物が作られていて、おお!これは!
と思ったのだですが、閉まっていたので一瞬で見終わってしまった。

んー、もう出たいのだけど、まだお姉さんが下りて行ってから1分もたっていない。
流石にこれで出るのは気まずいだよなw
どうやって時間つぶす…?

誰も居ない部屋の中心で呆然と立ち尽くす。
…いやぁ楽しいです。この俺何やってんだろう感。
このどうしようもない感じに包まれるのが楽しくて、興味のない博物館巡るの好きなんですよね。
ドキドキとわくわく両方を味わいながら、時間をつぶす。
丁度、東村さんの略歴があったのでそれを読んで時間をつぶしました。
ふーん、東村さんは某国営放送の番組にも出ていた人なのか。

頑張って粘り、3分くらいしてから受付へ行き、
心の底からありがとうございましたと告げ、颯爽と館を後にする僕。
お姉さん、とてもいい笑顔でした。

(平成26年11月訪問)

 

和歌山県書道資料館 公式サイト
おすすめ度 ☆★★★★ 書道やってる人以外お勧めしない。
ヘンテコ度 ☆★★★★ ヘンテコではないか。

入館料 大人300円
開館時間 9:00~17:00
休館日 日・祝日

 

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