書き割りの井伊直弼公。特別史跡・埋木舎(滋賀)

「いろは松」と呼ばれる堀端沿いの松並木を眺めながら
天守に向かってずんずん進んで行きますと彦根城佐和口に到着です。
(正面に見える櫓は佐和口多聞櫓と言うんですって。左側が重要文化財指定。
昭和35年に復元された右側の部分は開国記念館と言うハコモノになっとりますわ)

 

…あああああ!桜が見頃の時期に来て良かったわ~
と心の底から思える風情ある景色にホクホクしっぱなしです。松越しに見る桜の美しさったらもう!
そうそう、ここに来る前にお詣りに行った滋賀県護國神社の境内の桜も
綿菓子みたいにモコモコしていてとても綺麗でしたよ。
流石、彦根城!天下一の桜の名所やで!←地元びいきなもんでして。エヘヘ。

 

さて、ここ佐和口を右折した先にあるのが、かの有名な「埋木舎」。
幕末の大老・井伊直弼が、彦根藩主になるまでの間(17歳から32歳まで)過ごした屋敷ですな。

アタクシこれまで彦根城には数え切れないほど来てるくせに、
何故か埋木舎には(玄宮園もだけど)まだ入ったことがありません。
(彦根400年祭の時に入場券買ってたんだけど、
時間配分間違って夜になってしまい入れんかったのよ)

…よし、これは良い機会だ。
もうこの後の予定は彦根城を桜見物するだけだから時間もたっぷりある!
ってことで中に入ってみる事にしました。

彦根藩の跡を継ぐには絶望的な十四男に生まれた井伊直弼は、
他家への養子縁組の口も無く、必然的に世捨人の様な生活を送るほかなかった。
そんな境遇から住んでいた屋敷を埋木舎と名付け
(生涯花咲く事も無いだろうと埋もれた木になぞらえた)

学問や武芸に励んだのであった。

…大望を持つ若人にとって世に出る機会が無いというのは耐え難いものだったんでしょうな。
僕なんてこの話を知った時、ただただうらやますぃー!
と心の底から思ったのに、えらい違いだわ。←ダメ人間。

門をくぐるとすぐ側に受付が有り入場料を払いますと、
「お!いい写真撮れた?」なんて言われまして、それを機にオジサンと少し談笑。
「今、彦根城は桜満開で見頃だけど、ここはほとんど散っちゃったねぇ。
でも、いっぱい良い写真撮っていきなぁ」


…お、おぅ。もう桜散っちゃってるのか。ま、まぁ埋木舎は桜メインで来たわけじゃないんで、

例え桜が全然残ってなくても決して残念には思わないんだからね!

正面にはでっかいお屋敷が!
この玄関には、駕籠や屏風などが展示されておりました。
…しかし、埋木舎って意外に大きかったんやな。
隠遁生活って事で勝手に座敷牢みたいな場所を想像してたんだけど、
そりゃお殿様の身内なんだからそれ相応の立派なお屋敷をあてがわれるよなぁ。
と当然すぎる事を現地に来て初めて知ったのでありました。

こんなに立派なお屋敷だったら、何の文句も無しにいつまでも居れるわ。
と、改めて隠遁生活に憧れを抱いたのであった。

 

受付のオジサンが言ってた通り桜はほぼ散っていて、庭は一面敷き桜状態。
寺社の華やかな庭園とは違った無骨な感じの庭(落ち着いた雰囲気で好きだな)を

奥へ奥へと進んで行きますと、途中の庭に面した部屋が開放されていまして
そこにも展示品が並んでおりました。

そこからさらに奥へ奥へ移動すると中庭に到着。
ここが埋木舎のメインディッシュ!大変素晴らしかったのであります!

!!!

当時の様子を再現するのに使われていたまさかの書き割りに
一気に漂うヘンテコ・珍スポ感!
マネキン人形を使っているところは多いけど書き割りってのは珍しいなぁ。
このチープな感じがたまんないよねぇ。と一気にテンションアップだ。
どことなく古い絵柄も味わいがあって良い!
一周廻って逆に新しい感じがするのがとてもステキだ!

他には、これまでの大河ドラマで井伊直弼を演じた俳優の紹介コーナーなんてのもありました。

 

錚々たるメンバーやなぁ。
個人的には杉様が井伊直弼のイメージにぴったりだと思うんだけどどうでしょう。

時代劇では悪役に描かれる事が多いのにちょっとムカついてましたが(井伊直弼は地元のヒーローだ)
最近ちょっとマシになって来たのが嬉しいかぎり。(そう思うと吉良上野介はかわいそうだな)

埋木舎と中堀の辺りは、今でも江戸時代の面影を残している場所だと思ふ。
いつも静かで眺めも素晴らしく、彦根城のオススメビューポイントです。

 

(平成28年4月訪問)

埋木舎 彦根観光ガイドさんの地図のページ
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ 歴史を感じられる良い場所
ヘンテコ度 ☆☆☆★★ 書き割りの破壊力はかなりの物

入館料 大人300円
開館時間 9:00~16:00
休館日 月 お盆 年末年始 冬季不定期

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