銅像だらけの桃太郎大通り! 冬の青春18きっぷ・岡山旅行その1(岡山)

読書にも少し疲れ始めた頃に窓の外を眺めてみると、
朝の明石の海は空の薄い青色と交じり、境界はもやもやと曖昧だった。
こういう時、堀辰雄だったらわけのわからん横文字いっぱいの詩的な表現をするんだろうなぁ…
なんて事を思いつつ、「人形佐七捕物帳」と間違って持ってきてしまった(先生、大事件です!)
「大和路」を閉じた。

オカシイ。これから行く目的地にちなんで横溝正史を選んで持ってきたはずなのに…。
何故に手元に堀辰雄?しかも最近読んだばっかりの奴じゃぁないか。と朝から悶絶なのである。
やはり書店のカバーがかかったままのを、中を確認もせずに引っ掴んで来たらそうなるわな。
でも、絶対これだと思ったんだけどなぁ…。
あああああ。これから車内での2時間あまり、一体どうやって時間をつぶせばよいのでしょうか!

昨年末の蒲郡旅行の際に購入した、「冬の青春18きっぷ」が3回ほど残っておりましたので、
平成28年度、旅行の始まり一発目に岡山へ行ってみる事に致しました。
岡山城に後楽園。正月からお殿様気分をたっぷりと満喫するのだ。
なんでも岡山城ではお殿様の恰好をして、お座敷の上で記念撮影も出来るらしいんだよなー。
いいじゃないかいいじゃないか。

でも、折角岡山に行くんだから、お城周辺にある夢二美術館やオリエント美術館など、
いろんなとこにも入っておきたいんだなぁ。(今年もいっぱいハコモノ巡りまっせ)
って事で、珍しくきっちり年明けの開館日を調べたところ、ほとんどのハコモノは
5日からのオープンでした。

さて、1月5日。
岡山方面は曇りと言うちょっと心配なお天気予報だったので、
折角の初後楽園、どうせ見るなら晴れた時に見たいんで、岡山旅行は次の日以降に伸ばしちゃう?
ってな事も考えたのですが、念のために5日以降の週間天気予報も確認したところ、
何と言う事でしょう!ずっと曇り続きの予報とは…。
(5日の予報では「傘を持っていく必要はありません」の表記。
6日以降では「持っていった方がよろしいでしょう」との表記)

んー、これなら延期してもおんなじか。
というより、ここで延期しちゃうと、18きっぷを使い切るのが
かなりしんどくなるからなぁ。(使用期限は10日まで)
…行くしかないか。

まぁ、予報はあくまで予報。
意外と晴れちゃうかも知れないからねぇぇぇ(こういう時って、まず晴れた事は無い)。
案ずるよりも小野ヤスシだ。(←サブっ)

8時発の新快速でまずは姫路へと移動。
姫路で播州赤穂行に乗り換えた時に、漢字の読めない女子大生集団と同じ車両に乗り合わせた。
「おみちには何時に着くの?」とか言ってるんだが…。おみち?
すぐさま「それ、おのみちだからw」と突っ込みが入り、「きゃはははは」と車内に笑い声が響き渡る。
どうやら同じ18きっぷ旅行者のようだけど、尾道を読めないのかw
でも、そんな彼女たちを馬鹿にする事は出来ない。広島でスイーツぅとか言ってる所からすると、
岡山へ行くだけでへとへとになる僕なんかよりも熟練の18きっぱーのようだからだ。
しかしまぁ広島まで行くだなんて、根性あるなぁと感心している内に相生駅に到着した。
向かいホームには岡山行きの電車が停車中だ。

「座れるかな!?」「急がなきゃ」「やばいやばい」
ドアが開くなり、ドア側で待つ乗客達を後ろからぐいぐいと無理やり押し出す女子大生たち。
む、無法者め!前のおっちゃんよろめいとるがね。
ええ、僕もドア付近に立っていたのでめっちゃ押されましたわ。
こいつら熟練者だと思っていたのに、とんだ素人だったとはな!
余裕で座れるわい!

相生から岡山行き電車に乗換。
山の間をグイグイ進んで行くんだけど、あっという間に辺り一面真っ白に…。
き、霧?雲?空も真っ白、周りも真っ白。これって山の中だからだよね?
平野部に出ればすっきり晴れてるよね?

ドキドキしながら一時間近くボーっと過ごすと、ようやく岡山に到着した。
うん。曇り空だ。天気予報はよく当たるなー(遠い目)

まずは、岡山に来たときにいつも利用している「さんすて岡山」(駅ビル?商業施設)で
おにぎりを購入してから駅構内の観光案内所で地図をゲットだぜ!これで準備万端。
いざ出発や!

岡山に来たなら、
まずはやっぱり駅前広場の桃太郎さんの銅像を見なきゃならんでしょう。
犬は凛々しく、お猿さんはぴたっと桃太郎さんにくっついてて可愛い。
そして雉は目立たない感じでした。

さて。
岡山城までは大体1.3キロ程の距離がありまして、
歩いて行くには近くも無く遠くも無く、実に微妙な距離でした。
城だけではなく他にも色々と回る予定なので
やっぱりレンタサイクルがええかなぁなんて思いましたが、
駅前から城方面にかけては路面電車が走っているのでそちらで移動する事に。
ぶらぶら路面電車に揺られて、お城まで移動。なんかええよね~。

で、早速、路面電車の乗り場へ移動しようとした所、
道路向かいの商店街に何やらオブジェがあるのを発見。
あれは桃?さすが桃太郎の街岡山!と嬉しくなって近くに行ってみたら、
桃ではなくてただの球体でした。うむ、まぎらわしいのぅ。

乗り場が有る大きな通りの方に出ると…
見えた!あれだ!
道路中央部分に駅。大阪のチンチン電車、阪堺電車とよく似ておりますな。
むき出しの停車場なんて堺の停車場にそっくりだわ。

 

ハッ!
どっから乗り場へ行けばいいのかなと辺りをきょろきょろしていると、
道のあちこちにお猿さんや桃太郎さんの像が置かれているのを発見。
も、桃太郎さん…。裸やん!

この駅前の大きな通りは、「桃太郎大通り」と名付けられていた。
それで桃太郎さんの銅像とか並んでるんやね。
これは色々と面白いものがありそうな気がするなぁ。
…よし、方針転換。電車には乗らずに歩いて行く事にしよう。

ここから大体1キロ程、ぶらぶら岡山城まで歩いてみました。

移動途中、川の手前にあった古い感じの建物の壁には大きな時計が。
写真ではそんなにだけど、生で見るとかなりヘンテコな感じでしたよ。
(あの平平平平ってなんやねん!って気になったのでヤホーで調べてみました。
ああ書いて、ひらだいらへっぺいって読むんですって。居酒屋さんでした)

川沿いには遊歩道が作られていて、そこは銅像だらけ!

此処にも居た桃太郎さん。またもや全裸である。
同じ銅像なのかなと思いきや、微妙にポーズが違っておりました。

奥の方に見えたこちらの銅像は桃太郎さんとは関係がなかったのですが、
造形の美しさとリアルさが素晴らしかった。表情がとてもいいよね!

 

新選組・鬼の副長土方歳三も参考にしたと言われる桃太郎組の戦闘スタイルの中で
重要な役割を担った特攻野郎のワンちゃんがこちら!
この仕草、とびっきりのかわいさだ!

城へ向かう大きな通りには銅像がいっぱい。
…な、なんだこれは。今までにも味わったことがある気が…んんん!デジャヴ!?
なんかではなく、姫路のメインストリートもこんな感じだったなと、
同じ城下町の事を思い出した、岡山ぶらぶら。

相変わらず素っ裸の桃太郎さんやお猿さんは何度も見かけるんだけど、
あいつだけが見当たらないんだよなぁ。auのcmでも扱いが悪い、そう、雉さん。
この銅像ストリートでも迫害されてるのか!?と思いながら歩いていると、ようやく居た!

ホッとしたというかちょっと嬉しくなった。

ん?ちょっとまてよ。
道の片側だけに銅像があるって事は無いよなぁ。
帰りに時間的&体力的に余裕があれば通ってみるかな…と、何気なしに道路の反対側を見てみると、
道路の中央分離帯にも何やら銅像があった。鶴か!

岡山=後楽園=丹頂鶴(後楽園で飼育されていたんだって)
後楽園で鶴を見るのも今回の旅行での楽しみの一つで御座います。

微妙にポーズの違う素っ裸の桃太郎さん達をたっぷり見ながら
そろそろお城が見えてもいいんじゃね?ってくらい歩いたところで、交差点に到着。
前方にはなだらかな坂道。右側に伸びる道へは路面電車が進んで行く。
そうだそうだ!と、ここで地図を思い出す。確か左に行けば美術館や後楽園の正面入り口だったな。
ってことは坂道上がればすぐお城じゃん!

さぁこっからが難題です。
はじめてきた場所ではやっぱり正面から堂々と入りたいと常々思っているアタクシ。
その思いもむなしく、いつも大体半分くらいは横から入場する事になっちまってるんで、
岡山城と後楽園には絶対に真正面から入ってやろうと思ってやって来たのです。

で、この坂道をこのまままっすぐ登っていくと、
後楽園の裏側と、岡山城の天守閣の真後ろ当たりに出てしまうのですね。
一応、どちらも裏側にはなるけれど、そこから中へ入る事は出来るようになっているのですが…。
初めて来たのにそんなとこから入りたくないわけで!
なので、ここから入るにしてもわざわざ正面へぐるっと大回りしなきゃいけません。
(レンタサイクルしときゃよかった)

そして行こうとしている場所はこの二つだけじゃないんですよね。
この近辺にある、博物館などの施設もたっぷりと回る予定なので、
何度もあちこち行ったり来たりするのは足が痛くなるし、時間もかかるしと、
それだけは避けたいのでございますよ。

上手い事回るにはどうしたらええかなぁとしばし地図を眺めて悩む。

1・後楽園に先に行くなら、左に折れてぐるっと回りこめばいいのか。
でも、左に曲がるとすぐ、オリエント美術館と岡山美術館がある。
城より先に美術館へ行くのはあまり気が進まないな…。
2・岡山城へ先に行くなら、右に折れて林原美術館へ行った後、正門から入場。
その後ぐるっと回って正面から後楽園。

…んー。2の方がスムーズに行けそうかなぁ。このルートなら帰りに路面電車にも乗れそうだし。
って事で、右側から回ってお城コースに決めました。
それにこっちのコースなら…。

先に禁酒会館へ行く事も出来ますから!
あの、ちょっとレトロな建物が禁酒会館か。酒飲みからすると入ってええのかと思うネーミングの建物。
ここも見学するのを楽しみにしてきたんだよなぁ。
と、信号を渡り、禁酒会館の方へ進み始めたのですが、
その時、地図に石山公園ってのがあるのを見てしまったのです。
場所は坂道まっすぐ進んだ所。そう、後楽園とお城の間にある公園。
んー、この公園にはなんかあるような気がするんだなぁ。ニュータイプの勘。
それに、お城を目の前にしておきながら、他の場所から回る気なんて全くしないんだよ(お城好きー)。

ええーい、公園見てからぐるっとまわればよかんべ。
俺はまっすぐ進む!と再び交差点まで戻って坂道をえいこら進んで行きます。

 

烏城の道。
やはり城からだよな!といささかウキウキしながら、良い曲線をした坂道を上りきると…

広々とした場所に出た。
ん?あ、あれは裸婦像?

岡山でも裸婦像ありましたよー!
うほー!やはり何かあるとの勘は正しかったようだわ。
(写真撮るのを失敗したのは残念。銅像撮るの難しいわー。誰か撮り方教えてくれぃ)

ちなみにバックショットはこんな感じです。
ナイスおしり!

いやぁ裸婦像を見る事が出来て満足だわ。
…だったけど、その代償として

何の心の準備もせぬまま、天守閣を見てしまったわー!
あああああ。やっちまった。ってか、なんか張りぼてっぽい感じがして
抱いていたイメージと全然違う、岡山城!
烏城と呼ばれる岡山城は漆黒のお城ではなかったのでしょうか?
なんか色味が薄い感じがする。そして見た角度が悪かったのか形も何だかヘンテコな気が…。
後楽園の仲間由紀恵ちゃん越しの岡山城こそ俺の中の岡山城だったのだが…。
全然違うやん!

 

そしてこちらは後楽園。
外っ側から見ているだけなのでこちらに関してはノーダメージである。
左の奥に見える橋が、鶴見橋。正面入り口に向かう橋ですな。こう見ると結構な距離がありますな。
そして川の雄大さが凄い。

あああああ!もう天守閣見ちゃったんだから仕方がないや。
天守閣の裏口から入場する事を決意して歩いて行きます。

 

後楽園裏の入場口へつながる橋、月見橋。
名前の風雅さから木造の美しい橋かと思いきや、単なる無骨な橋だったことに
かなりのガッカリ感を味わった。
笑えるガッカリではなく心折れそうになるガッカリでした、こちらは。

…絶対に、後楽園は正面から入ろう。

次回、岡山城へ入場。

 

(平成28年1月5日訪問)

桃太郎大通り
おすすめ度 ☆☆☆★★ ちょっと距離はあるけど銅像がいっぱいあって面白いです。
ヘンテコ度 ☆☆★★★ 色々と心くすぐるヘンテコが有った。

 

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