大野寺の枝垂桜と巨大な磨崖仏さん。(奈良)

奈良の宇陀にある大野寺の桜が満開と聞き、
ぷらっとお花見に行ってまいりました。

ここ数日間の、お前はジャイアンかよ?
と言いたくなる程の粗暴極まりない風雨のせいで、
近所の桜はすっかり葉桜状態。
大野寺の桜は散らずにまだまだ見頃を保っているのかしら?
なんて思ったりもしたのですが、
天気も良い事だしこれは行くしかないでしょう。
何が花粉症だ!何が杉だらけの山ん中だ!

事前の調べによれば、
目指す大野寺は結構こじんまりとしたお寺のようで、
近くの磨崖仏さん(ここも実に楽しみ)を合わせてみても
見て回るのにはそんなに時間はかからなそう。
となると他にどこか回りたいところだなぁ…。
幸い室生寺行きのバスも出ているようなので
(というか、室生寺の最寄り駅が大野寺の最寄り駅でもある室生口大野駅)
バスの時間が合えば室生寺にも行ってみたい所です。
それか何駅か戻って長谷寺へお参りするのもいいなぁ。
長谷寺の桜も満開との事ですし。

そんな計画を立てながら、
ウッキウキ気分で、近鉄電車に揺られること約1時間。

室生口大野に到着です。

桜に包まれる室生口大野駅。
荒天の影響も無く、こりゃぁお花見にはバッチリの様ですな。

乗っていた電車からは結構な人数の観光客が降り、
一斉に駅舎すぐ近くの観光案内所へ群がります。
俺も俺もー!とオジサン達に交じって駆け寄りパンフレットなどをたっぷりゲットだぜ。
さぁお次は恒例の駅前観光案内図チェックやで。

ほほぅ…。案内図を見るに、大野寺以外にもいろいろ見どころたっぷりなんだけど、
どうにもこうにも移動手段が微妙な感じです。
駅周辺の鄙びた雰囲気を見るかぎり、バスなどは1時間に1本コースで間違いなさそう。
となるとここはやはり自転車か。
やっぱり旅と言えばレンタサイクルだよなぁ。
頑張れば室生寺まで行っていけないこともなさそうだし。
でもまぁ最初は、本日一番の目的地、大野寺へ行かなきゃな!
と、多くの観光客が歩いて行った方へ進みます。

坂をだらだら下り、少し進みますと、
んんん?なんだか拡声器で交通整理する声が聞こえてくるぞ。
しかもやたらと車が多い気がする。
…あれ?人もえげつないほど増えてきてるじゃないか!

事前に調べた感じや、ネットで見た桜、そして大野寺の写真では
ここら辺りはすごく牧歌的風景だったはずなんだけど…

おおおおお…これは!?ひ、人だらけではないか。
例えるならば、試合がある日の甲子園側の駐車場的雰囲気…かな。
山間の小さなお寺にひっそりと咲く美しい枝垂桜を静かに見上げる、
ってのを自分の中で予定していたのだが。
…まるで違っていた。
さ、流石は宇陀の誇る三名桜と言ったところか(又兵衛桜と佛隆寺の千年桜と並んでそう言うらしいです)。

お寺の周りにあった駐車場には観光バスが何台も止まってて、
お寺の前の道路はプチ渋滞。
…うへぇ。これは通るのも大変だ。
大野寺の山門の受付では団体客がどんどん入っていくので既に大行列が出来てます。

予想していた光景とまったく違っていて、
思わず笑ってしまったよ!
この光景を見て最初に口を出た言葉は、嘘でしょ!でした。

うわぁ…。
ちょっと心折れかけて、現実逃避でお寺の入り口から目線をはずしてみたら、
左側にいきなり磨崖仏さんが見えた。

う、嘘でしょ!?(二度目)
こんなにあっさり見れるの。ってかあっさり見ちゃったよ。
心の準備を全くしてなかったから、感動がぁぁぁぁぁ…
磨崖仏さんはもっとお寺から遠く離れた場所にあって、
結構歩かなきゃならんのかなぁ、
なんて、歩くの好きなオイラは鼻息荒くして楽しみにいたのに。

あまりのことに呆然としつつも気をとりなおしてお寺の受付のほうへ行き、
寺の方を見てみると…
ごくり。
これはすごいじゃぁないか。

あまりの素晴らしさに思わず立ち尽くす。
これは無理してでも来てよかったわ~と心底思いました。ああ綺麗!

んでは早速中に入って間近でじっくり…
と思ったのですが、受付からは長い長い行列はいまだ途切れる事は無し。

それならば先に磨崖仏さんを見に行こう!
と、寺の横、川沿いを歩いて行くことにします。

お寺からは道路を間に挟んだ先に大きな川(宇陀川)が流れていて、
その川の向こう側の大きな崖の岩肌に巨大な菩薩様が彫られてるのですが、
あまりの磨崖仏のさんデッカさに、す、すごいわぁ!と興奮しまくりです。
想像していたよりもずっと壮大。めちゃくちゃ迫力がある。
(磨崖仏さんは11.5mもの大きさだそうです)

 

中国の山水画の様な景色がステキでしたなぁ。
ん~、水墨画の題材みたいな眺めだね~。

そうそう、河川敷ではお弁当食べてる人がたくさん居てはりましたな。
この好天にこの景色。たまらないやろうなぁ。
ただ、鴨川等間隔のアベックみたいだったのがちょっとおかしかったです。
(写真は大野寺拝観後に河川敷に下りた時撮りました)

こちら磨崖仏さんを見た川沿いから振り返った大野寺境内。
うおおおおおおおおお!めっちゃ桜キレイですやーーーーーん!

急いで受付へ戻り、拝観料を払っていざ境内へ。
山門をくぐると右手には、満開の枝垂れ桜が!

息を呑む美しさに鳥肌立ちまくりだ。

圧巻ですなぁ。

枝垂桜の向かい側にも枝垂桜。

先程川沿いから振り返った時に見えた枝垂桜ですな。
こちらの枝垂れも大変な大きさで、足元にまで枝が垂れていましたわ。

一番見頃の時期に合わせて見に来れて良かったわぁ。
しずかちゃんが風呂入ってるタイミングでどこでもドアを開けるのび太君ぐらいに、ナイスタイミングや!

しかし、こじんまりとした境内には恐ろしいほどの人の数。
観光客は絶え間なくピストン輸送で運ばれてくるので途切れることはありゃしまへん。
まぁこの美しさなら仕方ないよなぁと思いつつも、
大野寺ってそんなにメジャーだったのかとも思うわけで。

そんなこんなを考えながら境内を歩いていたら話し声が聞こえてきました。
なんでも丁度本日朝のN〇Kの番組で大野寺の枝垂桜が紹介されてたとの事。
…なんてタイミングだっ。

境内では枝垂桜以外にも様々な花が咲いていてとても見応えがありました。
もっと人の少ない時にゆっくり見たいなぁ…(自分勝手)

近くにいたダンディなおじいちゃんが、
滝のようだなと枝垂れ桜を見て言ってたのがすごく印象的でしたわ。
桜のもこもこ感がかわいらしかったなぁ。

遥拝所から磨崖仏さんをお参りしたり、
御朱印を貰ったりとたっぷり大野寺を堪能。
とても素晴らしかったです。

大野寺を出た後は、駐車場付近にあった出店を覗いてみたんですが、
そこでは酒を売っていたりたこ焼き売っていたりと賑やかでした。
そんな中、とても興味をひかれたのがこの不思議なお菓子。
ヨモギを薄く焼いて伸ばしたものにあんこをのせてくるくるまいてたものなんですが、
めっちゃ美味しそうだった!

これは是非とも食べたい!
だけど並んでいる人の数と言ったらもう!

うーむ、並ぶのめんどいのぅと覗き込んでみたら、
なんでも室生寺の前でお店やってるらしいのです。
…ほほぅ。だとすれば今から室生寺へ行けば並ばず食べられるのじゃないの。
名案。よし、ここはスルーだ。

 

室生寺へ行くために、駅に戻る途中にあるバス停へ行き、
時刻表を見てみると、次のバスは30分後でした。
…微妙に長いなぁ。
花粉舞う中30分もボーっとしているのはツラいし、
よし室生寺はまたの機会だ。と華麗に前言撤回だ。
(よもぎ巻を食えなかったのだけは残念)

 

そのまま室生口駅まで戻ります。
そう、次なる目的地は変更されたのです。
券売機で長谷寺駅までの券を素早く購入した。

えーっと、確か長谷寺駅には急行は止まらなかったんだよなぁ。
とすると準急に乗らなければならないのか。
…次の準急が来るのは3時間後くらい。
…へ?はぁ?全力ではぁ?

3分後には急行が来るんだけど、マジかよ!?
この急行逃したら次の電車は何分後???うわぁ…。
とりあえずどうするかは乗って考えろ!と急行へ慌てて乗り込みます。

奈良に関して全くと言っていい程詳しくない僕。
たしか榛原の次が長谷寺だったよな…。
そうこうしている内に、電車は榛原へ到着。

降りて準急があるのにかけるべきか?
その時、聞こえてきたアナウンス。
準急にお乗りの方は云々。
おお!やっぱり榛原発の準急があるじゃないか!
そりゃそうだよな、そうじゃなきゃ客が不便だから…

ぷしゅー。ドアが閉まる。

ああああああ。やってしまった。
此処で下りなきゃならなかったのに、一体何やってんだ!

行きの電車で感じた長さは全く感じず、
帰りの電車はあっという間でした。

 

(平成25年4月訪問)

大野寺
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ 桜の時分は大混雑なのだけがツラい
ヘンテコ度 ★★★★★ ヘンテコ要素は無し

拝観料 大人300円
拝観時間 8:00~17:00

 

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