中々開いていない美術館。藤井斉成会有鄰館。(京都)

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建物の上にちょこなんと乗っかっている中国様式の八角堂は遠くからでもよく目立つ。
なんとなく東山の祇園閣・銅閣寺の事を思い出した。(銅閣寺は全然中華風じゃないけどね)

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ここは京都岡崎にある藤井斉成会有鄰館。
これまでに何度も前を通っていたにも関わらず、ここが美術館だったとは全く気付きませんでした。
(近くにある高校の関連施設だとずっと思っていたよー。)

勿論、建物の上にこんなお堂が乗っかってるだなんて知っている訳もなく(驚愕)
京の夏の旅で公開されていると知り、有鄰館って一体どんなとこなんだろうと
調べてみるまで全く知らなかったのですわ。
ちょっとヘンテコな感じの建物オンザ建物。
こんなのがあると知ってしまったら見に行きたくなっちゃうじゃん!

通常は月の第一第三日曜日だけ(一月八月を除く)しか公開されておらず、
見学するには中々の難易度を誇る有鄰館。
「京の夏の旅」では短いながらも7月11日から24日にかけて特別公開が行われていましたので
祇園祭の宵々山にあわせて行ってみる事にしました。


7月14日。(晴天)
昼過ぎに京都に到着。
京阪三条駅→三条通を東へ→東大路通を北上→仁王門通りを東へ疏水沿いに歩くと到着。
…バスに乗るには中途半端な距離乍ら、歩くとそこそこしんどいという、
三条→岡崎のいやらしい距離に毎度乍らの悶絶でございますわ。
夏場は素直にバスに乗った方が良い事を知る。アッチィ!

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有鄰館・第一館を設計したのは武田五一さんという方。
(有鄰館は第一館と第二館とあって、第一館が中国館、第二館が日本館と呼ばれています)
建築痴の僕ですら名前くらいは知っているというチョー有名人ですやん。
wikiで代表作品を見てみると、生で見た事ある建物がいっぱいあって腰抜けそうになりました。
…そりゃ知ってるわ。

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龍のレリーフ。
オリエンタルだなぁと、まるでバカみたいな感想しか出てこない、
我が感性の貧弱さにはほとほとまいったぞ。がはは!

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建物西側の路地の奥が有鄰館の入り口。

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まっすぐ進むとすぐに到着。所要時間は30秒だ。
ちなみにこの路地や周りの建物は全部藤井さん(財団法人)の所有物との事。
(この路地、私道って書かれてました。)
金持ち極まりない!

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有鄰館入口である西門。
門をくぐった先の右側にある建物が今回特別公開されていた有鄰館・日本館で、
日本館の向かい側、入って左側には八角堂が乗った建物、中国館が建っております。

記念撮影が出来るのは門の外まででしたので、
カメラをしまって中へと移動しますが…
なんか不思議な感じの建物だなぁ。

公開中の日本館へ入ると、玄関部分に受付が作られていて
入館料を払うと左側の部屋に案内されました。
丁度室内では、スタッフさんによる有鄰館についての解説が始まった所らしく
沢山並ぶ椅子に座り説明を聞きます。

初めに通されたこの左側の部屋なんですが、あちらこちらに美術品が飾られていて、
何気に見た書なんて西太后によるものでした。
…ふぅ。そこらかしこに色々普通に飾られてるんだけど、
これらの美術品ってえげつない価値の物ばっかなんじゃないの?
(まぁ名前が書いてなかったらなんなのか全くわかんなかったですけど)
と解らないなりに気圧されました。

「お客さん達が今居るこの建物は日本館と言いまして、
かつては犬養毅がお泊りになられていた館です。
そして向こう側の、屋根の上にお堂が乗っかっている建物は中国館と言います。
あのお堂は実際に中国で作られたものでして、わざわざこちらまで運ばれてきたものです。
ここのご主人は元々近江商人で財を成した方。
1階だけでなく2階にも部屋があるのでゆっくり見て回ってください。」
説明が終わり、んじゃまぁ、早速館内を見て回りますかな、
と立ち上がろうとした時に、前の方で座って説明を聞いていたオジサンが
「あの屋上のとこには入れませんの?」なんて質問をしていました。
ナイスだオジサン!それ、俺も聞きたかった!

椅子に腰を掛け直しオジサンの質問に便乗して耳を傾けてまっていますと…
「あちらは今回の公開には入ってないんですよ。まぁ私も入った事ないんですけどね。
中国館は通常の公開の日に来ていただければ見ることが出来ますよ。ただ、別料金になりますけど」
ってな事を言ってはりました。
通常の公開日程+別料金か。なかなかの難易度やな!
でも、あの妙にヘンテコな八角堂は興味深い…。

説明を受けた部屋を出て、まずは一階を探検。
入口からまっすぐ行った先にある蜻蛉の間というお部屋から見ていく事にしました。
こちらはその部屋の名前の通り、壁や床にトンボの絵が描かれており、
壁(壁紙?)は布製で、トンボの柄が刺繍されているんですな。どんだけ細かいの!
そしてなんちゅう贅沢さなんだろうか!
こちら蜻蛉の間、ガイドさん一押しのお部屋でした。

二階へ上がる前に通路にも何やら色々と置かれていたのでざっくり見てみると、
雑然と掛け軸やら何やらたっぷりと置かれているんですね。たぶんどれも値打ち物なんだろうなぁと。
もうね、なんか骨董品屋さんみたい。だけどそこら辺の骨董屋さんと違って、
置かれている品はやばいほどの値打ち物ばっかりなんでしょうけど。
言うならば高級骨董品屋かみたいなものか!

受付近くの場所ではパンフが売られていました。
…って、え?パンフ有料なの?大抵の博物館などでは入館料を払えば貰えるパンフレット、
あれ有料でした。なんかすごい残念な気分だw
まぁ200円なんで高くはないんですが、なんだかなぁ。…結局、買っちゃいましたけどね。

次は二階。
と、二階へ上がっていく途中に何気なく階段の踊り場で見た絵は円山応挙作でした。
金持ちか!

二階には三つのお部屋があり、
一つ目のお部屋では犬養毅の書などが展示中でした。
個人的には、歌川国芳の版画が良かったなぁ。
二つ目のお部屋は仏殿と名付けられていて、
室内もお寺の本堂の中の様になってます。
三つ目のお部屋。こちらでは子供の玩具などが展示されておりましたよ。
廊下では東郷元帥の書や、太閤さんの鎧兜などもあって、
見ている内に物の価値観がぐちゃぐちゃになってきます。
どれも雑然と荷物のように置いているんだもんな。なんかすげぇわ。

凄いものをたくさん見てお腹いっぱい状態だ。
ただ残念ながら審美眼は持ち合わせていないので、良かった良くなかったのかよくわからないまま
有鄰館を後にします。
結局中国館の方は入れませんでしたが、
ぼかぁ日本文化にしか興味がないから別にいいかと納得。
さぁて、次は関ヶ原展へ向かいますぞ!

 

(平成27年7月訪問)

有鄰館 公式サイト
おすすめ度 ☆☆★★★ 興味ない人にはツライかも。てっぺんの八角堂が見れなかったのが残念。
ヘンテコ度 ☆☆★★★ 八角堂はなかなかヘンテコ。

入館料 京の夏の旅 大人600円 通常拝観 大人 第一館 1000円 第二館 400円
開館時間 11:00~16:00
開館日 第一、第三日曜日(1月と8月を除く)

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