春の京都美術展巡り!「国芳から芳年へ」を見に京都文化博物館へ行く(京都)

「チョー暑ッい!」
まだ四月初旬とは考えられない程の、
真夏を思わせる季節外れの陽気の所為で、
着込み過ぎて出てきた事に大層頭を悩ませながら、
烏丸御池から姉小路通に向かってトコトコ歩いていると、
目の前に現れたのが…

 

ご存じ「新風館」でございます。
…だけどコレ、俺の知ってる新風館とはなんだか色々違うんだけど?
と記憶の中の新風館と、若干どころかかなり違っている事に戸惑いを隠せない。
レンガ建て部分は確かそのままのような気がするけど、隣のオシャレ感たっぷりな
木々豊かな大きな建物は一体何?これも新風館の一部?もっと青っぽくなかったけか?
そもそもこんなんあった?

おいおい、コレは要調査案件ですなぁ。」
当時も一緒に来て見学した、旅の相棒犬面氏に尋ねてみようとしたものの、
彼を見るにどうやら何の疑問も感じてない様子。ってか、気にも留めておらぬようだ。
というより、彼の注意は近くに建っている彼の仕事関連のビルに注がれていたw
…ふぅ。また今度、一人で京都に来た時にでも潜入してみるか。
それに本日は間違いなく時間がタイトであるからして寄ってる余裕などないのである。
(今回の京都旅行のテーマは春の美術祭。特別展を何個もはしごする予定)

※新風館公式サイトを見たら、2016年に再開発の為一時休館し、
 2020年にリニューアルオープンしたとの事でした。
 なんでも横の部分の建物は隈研吾デザインのホテルなんですって!

中京郵便局を曲がり、三条通を東に進めば
本日の京都旅行の最初の目的地、京都文化博物館に到着です。

やっと来れた!
ずっと見たかった特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」
2月末から始まりすぐにでも見に来たかったものの、
仕事やら花粉症が酷かったりとかでなかなか来れず、
結局開催期間ぎりぎりになっちまったんだよな(終了一日前だ)。
まぁここまで来たらそんなことはどうでもいい。
くによし!くによし!(大好き)よしとし!よしとし!(大好き)

うろうろしている相棒を促し、入口へ向かうと
文化博物館ではどうやら別の展覧会も行われているようだった。
先程から気になっていた、GUY BOURDIN ってのがそれみたいやね。
ちなみにどう読むのか全くわからねぇw

入り口付近に居た女性達はこちらの展覧会がお目当ての様。
入って左側、少し中を覗いてみると結構な人でにぎわっておりました。
我々は右に曲がり、別館を抜けて会場を目指します。
(ちょっと調べてみたぞ!ギイ・ブルダン。フランスのアーティスト。写真家。
巡回展「ギイ・ブルダン展」は京都国際写真祭の一環で行われているんですって。)

 

そうそう、文化博物館の別館内部も素敵です。その様子はこちらでどうぞ

大関ヶ原展を見に京都文化博物館へ。(京都)
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受付でチケットを貰い、エレベーターに乗っていざ会場へと向かいます。
(写真の色がおかしいのはカメラの設定間違えていた所為。やっちまった…。)

この「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」では凄い&素晴らしい事に、
会場内の作品いずれも写真撮影オッケーという太っ腹ぶり。
これはホントにうれしいやつ!好きな作品写しまくりやで!
とすでに鑑賞前から大興奮です。
でも、これだと一体どれほど時間がかかってしまうかわかんねぇんだよなぁ…
ってことで先に相棒犬面氏には…
「国芳も芳年も大好きなんで、今回、君の事は一切頓着せずにガチります。」
と宣言しておいてから鑑賞スタートです。

散り際の頃とはいえ桜の時期の京都。
花見目的の人が多い筈だから展覧期間終了間際でもそんなに混雑はしてないのでは?
なんて思ってましたが、そんなことは全くなかったというね。
各作品の前には人がぎっしり。プラス写真撮影可なだけに列はなかなか進まないんだなぁ。

そこで早々に全作品撮影は諦め、
撮るのは大好きな作品や気になったもの、ちょっぴりエロスなのだけにしておいて、
鑑賞に全精神を集中だ。
作品名や解説などは後で買う図録でたっぷり見ればええやろと方針転換です。
(↑これが壮大な伏線になろうとは…悲し)

見ていく順番もなるべくこだわらず、
空いている所から見て行きます。そうトンボのようにふらふらと。

 

第1章 ヒーローに挑む

児雷也と大蝦蟇
琵琶湖の遊園地にあった蝦蟇に乗った児雷也の人形を見て以来ずっと児雷也好きなのよね。
豪傑譚は心躍ります。ほんまトキメクわ。
丁度、一緒に犬面氏とみていたんですが、
「ほら、児雷也やぞ。かっこええやろ!」と彼に振ると
「じらいやとか知らんわ。だいじゃまるってなによ」
と言い残して先へ進んで行きました。その後、会場内で彼の姿を見ることは無かった…。

 

龍宮玉取姫之図
この伝説は知らず、絵も初見。迫力がある、構図がかっちょええ、そして魚かわいいのと
浮世絵でのタコのかわいげのなさがにんともかんとも。

八犬傳之内芳流閣
部屋に飾りたい・欲しいその1

二十四孝童子鑑 楊香
欲しいその2
少年冒険小説のワンシーンの様で素敵。

僕の大好きな島左近さんがおった。

白井権八と亀菊 山中団九郎を討つ
何が良いってあなた…

銃を撃つ表現が実にクールなのね!

 

第2章 怪奇に挑む

月岡芳年と言えば、血みどろな無残絵。

6年ほど前だったか、京都駅の駅ビルにある「えきKYOTO」で行われた芳年展行ったんですが
その時見た無残絵がまぁえぐかった。正直苦手なんすよねぇ…

このある意味18禁のコーナー入り口はこんな風に。
苦手な人は入らなくてすむようにしてくれてるんですが、それにしても凝ってるw
まぁ苦手とはいえ、見ないのも何なので入ってみたんですが…
やっぱり無理でしたわ。
でも、浮世絵のすりの表現の多彩さ、刀に着いた血糊部分を盛り上げてたりとか、
雨が浮かび上がるとか、かがんで見上げるとよくわかりますってのは面白かったっす。

会場内、こんなのも飾りとして設置されとりました。雰囲気バッチリよ。

 

第3章 人物に挑む

芳年ってえちえち絵師やったんか!と驚いたその1
艶かしすぎやろ…。

その2はシチュエーションエロス。事後。

順路通りにぐりーっとまわると入り口に戻ってきた。
ここまでが4階展示室でした。
他にも忠臣蔵討ち入りとかも良かったんだけど、
カメラの設定ミスに気がつかなかったまま撮ってたんだよね…。

エスカレーターで3階に降り
鑑賞後半戦スタート。

 

第4章 話題に挑む

こちらでは戯画と呼ばれる滑稽なジャンルな作品が多く展示されていて、
見てて楽しいものばかりでした。
そんな中、最初に見たのがあの有名な人が集まって顔になる浮世絵の別バージョンのもの。
やっぱりオモチロイ。

猫スキーでお馴染み国芳の芝居のワンシーンを擬人化した
なかなかキモい感じの猫絵。モデルは人気役者さん。

鯔背だねェ。

ええ顔してはる。

 

亀の顔が役者になっとるんだけど、これはキモかった…。

将棋の駒を擬人化した絵。

楽しすぎやなw
学生だったら、文化祭なんかの出し物でこれを題材にしていると思う。

 

見世物をテーマにした作品の解説書きには
生き人形・松本喜三郎など琴線に触れる単語が並んでいた。

このフロアで吊るされていたんだけど、
最初見たときは気にもせずパッと見だったので
なんか描いてあるなぁぐらいにしか認識せずにいた。
そのまま近くで展示されていた絵を見ると…ギャッ!
これ鬼婆やん!

吊るされていたのはこの絵と同じもの。
こちらは一ツ家伝説をテーマにした作品の展示コーナーでした。

鬼婆づくしは強烈だった。

 

終章 「芳」ファミリー

月百姿は良い。とっても良い。
出てた数が少なかったのは残念だけど、
生で見たことなかったのを見れたのが良し。

祐天不動の長剣を呑む図
芳年上手すぎる…と唸る作品。
部屋に飾りたい。

伎紫田舎源氏
描写が細密で好き。それにしてもうめぇ。

東名所墨田川梅若之古事
元になった話はとても悲しいけど、この絵はドラマチックで美しい。
たぶん今展覧会での一押し作品扱いのようで、そうされるだけの素晴らしさだと思う。

以上、ざっくりお気に入りを貼ってみました。

 

かなり急ぎ足でまわったけど、
入ってから既に二時間近くは経っているような気がするな。
そういや相棒はとっくに会場を出ているようだし
もっかい最初から見て回りたいけどあまり待たすのも悪いから
出ることにするかと、後ろ髪惹かれる思い出会場を後にし、
さぁ!図録!図録!とミュージアムショップに向かうと…

図録は完売しましたの貼り紙ががが!

…え?

ぐあぁぁぁ!うそだろぉぉぉぉぉぉ!

諦めきれずに店員さんに尋ねるも、もちろん売り切れ。
再販予定もないとの事でした。

説明書きとか端折って絵を見てたのに。
その上出品目録を取るのも忘れてたし…
つれぇ。

心折れたまま展覧会会場を後にして
2階の常設展示コーナーへ向かいます。
この時やっていたのが「鎌倉武士の物語と京都」でした。
丁度、大河ドラマと同じ内容やなぁ。
国芳展でも源平合戦をモチーフにした作品たっぷりあったし
ちょっと見ていきたい。

でも、心は折れてるし、相棒待っとるしという事で
さくっと高速移動で出ることに。
そんな中、印象に残っているのは僧俊寛像。
生き人形テイストだったのが素晴らしかった。
…もっとゆっくり見たかった。

常設展示を出て一階に降りると、ベンチでうなだれる男の姿を発見。
奴だw相棒だw

話を聞いてみるとずいぶん待ってたらしく、
なんでも鑑賞してた時間よりも、ベンチで座ってた時間の方が長かったらしいですw
歴史興味ないこの人でも楽しめる内容だと思ったんだけどな。
彼曰く、一人として知ってる人物がおらず元ネタがわからんから
どうしようもなかったとの事でした。
だめだ、こいつw

でもまぁ、次に行く美術展は「兵馬俑展」
外国好きな彼はきっと楽しめる事でしょう。反対に僕の方がヤバいかも。

では「兵馬俑展」が行われている、京セラ美術館へ移動開始です。

(令和4年4月訪問)

 

京都文化博物館 特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」 博物館サイト
開催期間 令和4年2月26日~4月10日
入場料 大人1400円
開館時間 10:00~18:00

 

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