祇園祭の山鉾の中で
一基だけぽつんと離れた場所に建っているのが保昌山だ。
この山のご利益は「縁結び」。
未だモテ期なるものに遭遇した事が無い(ホンマにそんなもんあるんか!?)
我と友人の二人が、藁にも縋る思いで見学しに行ったのはもう随分と昔の事である。
…あの時は確か、難易度の低さの割には充実感をタップリ味わえる、
「祇園祭、一日で全部の鉾を巡ろう」ってのをやったんだよなぁ。なっつかすぃ~。
(各山鉾には御朱印があって、全部貰いに回る人達で大人気!
なので一日で山鉾を全部回るってのは実は珍しくもなんともないんだよね)
…そうそう、そういや、その時保昌山の近くにあるって事で、
京都学校博物館にも行ったんだっけかな。
あの博物館って今どうなってんのやろ?
と、思い出したらちょっと気になりだした。
…よし。久しぶりに保昌山を見に行きたいし(モテ期かもーん!)
ついでに学校博物館にも寄っちゃいますか!と
祇園祭の宵山に京都市学校歴史博物館へゴー!なのであります。
阪急河原町から適当に南下する。
学校博物館はどの筋だったかなぁとうろうろ歩いていると…
天野屋利兵衛は男でご座る!(酔っ払った時に言いたくなる台詞ベストテンに入ってます)
の石碑が有りました!
おおおおお!これは忠臣蔵好きにはたまんないぞ!としばしの間興奮に浸る。
この石碑の場所は四条通りから寺町通りを下ってすぐの聖光寺の門前。
河原町から来て正解だったな…と一人ムフフだ(前回は京阪五条から行ったので知らんかったです)。
寺町通から仏光寺通へ入り、少し進んで角を曲がると…見えた。あれ?もう着いた!?
京都市学校歴史博物館。
普通の小学校の物とは思えない、重厚で渋すぎる正門は明治34年に作られたもので、
大正七年に作られた石塀と共に国の登録有形文化財になっとるんですって。
か、かっこいいわ~。
登録有形文化財と言えば!の例の青銅色の標識もバッチリでございますよ。
僕が行った時に行われていた企画展が、こちらの「男女共学化の時代」。
これぞ学校博物館!って感じのテーマですな(ちょっと面白そう)。
とりあえず「男子校なんか行っちゃいけない」って事を
ここに声を大にして主張しておきたい(トラウマ)。
さて、京都市学校歴史博物館。
前回来たのがあまりにも前過ぎて、いったい中がどんなだったかほとんど覚えておりません。
展示内容なんてさっぱりだ!どころか展示とかそもそもあったけ?と言う酷いレベルです。
小学校の廊下をこつこつ音を鳴らして歩いたことぐらいしか浮かんでこないよね~。
門をくぐりグランドを回って展示室のある校舎へと向かいますと
…ん?
ぬぬ?
味のあるレトロな画風の書き割りにテンション上がります。
記念撮影した後、校舎内へゴー。
中へ入ると受付は左側に設けられていて、右側は企画展の展示室になってました。
入口真正面には二階へと上がる階段。…こんなんだったっけ?(ほんとに全然覚えてない自分が怖い)
早速受付へ行き入館料200円を払って(安い!)いざ見学開始。
※館内は撮影禁止だったので残念ながら写真は御座いませぬ。
(館内の様子、展示物は公式サイトで見れますんでそちらで見てください)
最初は常設展。
最近出来たかのような綺麗な展示室内にはちょっとビックリ。
…前、こんなのなかったよな!?
(後で調べてみたら、僕が見に行った後に展示のリニューアルがあった模様。ホッ)
まず一番初めにあったのが映像コーナー。
このコーナー、椅子が学校で使われていた木製のものだったのが
すこぶる良かったです。
流石学校博物館!細かいとこまでバッチリネタ仕込んどるわ。
映像視聴後、各コーナー(江戸時代や明治時代の学校に関する展示など)で
資料を見学しつつ進んで行くと「教科書の部屋」と名付けられた区切られたコーナーに到着です。
…なんだか面白そうな予感がするぜ。
期待に胸躍らせ中へ入りますと…
おお!昔の教科書だらけでなかなかヘンテコやん!と読みが当たった事にニンマリ。
入り口部分には教科書の絵の大きなハリボテ。
壁一面にはたくさんの昔の教科書。
昔の教科書を実際に手に取って中を見る事も出来るし…
これはおもしろい!
祇園祭真っ只中と言う事も有ってか、貸し切り状態だった学校博物館。
ゆっくり見れて、いい時に来たわぁ~なんてホクホクで見学していると
なにやら入口の方からざわざわした声が聞こえて来ました。
んんん?
部屋の中央に置いてあった昔の机を見た後、
教科書の部屋を出てみますと…な、なんや!いつのまに!?
館内、女子大生だらけになってますやん!?と唖然茫然だ。
手にはメモを持ち熱心に何やら書き込んでいる彼女達。
祇園祭の最中に一体?ゼミの課題?
それまでのんびりと見れてた展示物が、
一気に順番待ち状態になってしまってオイラちょっとしょんぼり。
勉強熱心な彼女達、メモに夢中でなかなか展示物の前から退いてくれなかったんで、
仕方なしに横や後ろから見ていたんだけど、
その度に、このジャージ姿のオッサン誰?ってな感じで
こっちをまじまじと怪訝そうに見てくるのには大ダメージでした。
…お前たちは私の心を叩いてる!お前たちは私の心を叩いてる!
何時の間にか完全アウェイ状態(男の客、俺しかおらんかった…)の中
気にせず先へずんずん進んで行きますと…これは良いぞ!と一気にテンションアップ!
そこにあったのが昭和から現在までの学校給食の変遷を表した
食品サンプルを飾ったコーナーでございます。
段々と豪華になっていく給食。郷土食ってのもあるんか!?
今の子はこんなええもん食べとるんやねぇ。
と興味津々で見物。いやぁオモチロかった。
常設展示室では他に、
昔のノートや黒板にチョークで文字を書く事が出来る
体験コーナーなんてのもありましたよ。
お次は企画展。
常設展示室を出て向かい側の部屋へ移動します。
「男女共学化の時代」がテーマの企画展では、
昔の男子校・女子高、共学化について紹介・説明がされておりました。
が、内容は堅苦しいものなんかでは全くなく、写真展示を中心としたとても面白い内容の物ばかりで、
展示室内には昔の学校生活の写真が沢山貼られていましたわ。
中でも鴨沂高校の体育祭の写真が凄かった!
当時、鴨沂高校では(今でも?)体育祭の最後に仮装行列が行われるのが伝統で、
その仮装行列では各クラスの担任教師が神輿の様に担がれる事に。
(先生にちなんだ内容のコスプレで)
酒飲みで有名な担任は一升瓶に乗せられ、世界史の教師は磔姿。
古文の教師なんて、輿の上で和服姿の絵が描かれた書割を胸の前に持たされ、
顔ハメのように顔だけ書き割りの上に出していたw
そこには「贋紫岡田源氏」の字(たぶん岡田先生?)。
出店という名前の教師に至っては、屋台の出店でホルモンとか売ってる
的屋の恰好をさせられてるんだもんな。
しかもこの屋台がなかなかの凝り具合で、手前にカストリとメチルが置いてあって、
時代を感じました。
これら写真のタイトルは「仰げば尊し」。ん~、実にイイ!
たまたま見た企画展が大当たりだった事に大満足で
展示室を後にする僕。
そしてそのまま階段を上がって校舎&教室を見学だ。
何部屋かは展示室になっていたのでそれらを見て回り
学校博物館、見学無事終了で御座います。
以前に来た時の事は全く覚えていなかったことがよーくわかりました。
それにしても学校博物館、こんなに面白かったとは。
(前に来た時は単に古い小学校歩いただけやなぁ、なんて一緒に行った友人と話しとったのに)
学校博物館を出た後は、
勿論保昌山へ行きますよ。
それじゃぁこの後、もうちょっと回るところがありますんで、では!(吉田類さんっぽく)
(平成28年7月訪問)
京都市歴史学校博物館 公式サイト
おすすめ度 ☆☆☆☆★ 見応えタップリ
ヘンテコ度 ☆☆★★★ 学校がテーマの博物館ってのは珍しい気がする。
入館料 大人200円
開館時間 9:00~17:00
休館日 水 年末年始
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