優しさを見せる気配なんぞ一向に無い、
残暑さん大暴れ中だった九月中頃の事。
次の旅行(サイコロきっぷで引き当てた白浜行計画)の打ち合わせを兼ねて
少し軽めのお出かけをする事にした。
「軽めやし新快速で行ける近場でええよな?
ちょうど行きたい場所があんねんけど」と、
我が提案した場所は…五色塚古墳だ。
神戸のイメージには全くない巨大古墳(個人的感想)。
住宅街の真ん真ん中にどんと突如として現れる前方後円墳。
古墳から眺める明石の海は絶景。
なんかの写真で見て以来、
これは一回行っとかなきゃとずっと思っとったのよね。
いい機会やしと勧めてみると…
「それなら兵庫県立考古博物館も併せて行きますか。古墳つながりやし」
と旅の相棒犬面さんも珍しく乗り気だった。
朝9時。大阪駅に集合。
先に古墳か博物館かどちらから行くか決めておらず、
オッサン二人はしばらくの間悩む。
帰りの事を考えれば遠くから行くのが正解だけど、
ただ、五色塚古墳は駅から距離がそこそこあった筈。
先に行っとかないとしんどくね?
そう結論付け、
まずは五色塚古墳から見に行くことになりました。
五色塚古墳は舞子駅と垂水駅の中間あたり。
たぶんちょこっとだけ垂水の方が近かった気がする。
まぁ運賃は同じだったので舞子まで購入し出発です。
明石海峡大橋!
乗り換えがめんどくさかったんで結局新快速には乗らず、
快速に乗って一路垂水駅へ。
のつもりでしたが、気づいたら乗り過ごしていて
舞子駅からのスタートになりました。
明石海峡大橋、ずいぶん前に来て以来やねぇ、
とちょっぴり感慨深い。
橋の博物館や移情閣ももっぺん見に行きたいなぁ。
ってか今から行っとく?なんて思いましたが、
まぁ本日のメインを見て回ってから考えることにしよう。
舞子から五色塚古墳までは1キロちょっとくらいやったかな。
歩いてもさほどしんどくはなさそうやけど、山陽電車に乗って
古墳の最寄り駅になる霞ヶ丘駅まで行けばもっと楽っぽいがどうしますかね?
と、体力に不安の或る相棒に気を使って振ったんだけど、
「いや歩きでええよ。それくらいわざわざ乗らんでもええやろw」
と何故か強気の態度を崩さなかった。
まぁ君がええんっていうんやったら全然ええねんけどねぇ。
(後悔してたのはお約束w)
線路沿いを進めば迷わんと行けるやろと思い、
とことこ駅を出て歩いて行きますと案内看板を発見。
ふーむ何やら色々ありますぞ。
「藤山邸とかいうとこあるで?前に来た時行ってないから行ってみるか?」
と発言したのは我ながら今でも恥ずかしさでいっぱい。
スロープを降りた先は舞子公園。
見事に松、松、松の松林が広がっておりました。
なんとなくいい匂いがしたのはきっと気のせいではない筈。
長い松林を抜けると海は目の前だった。
信号を渡って再び舞子公園(こちらは南地区)に入ると…あれか!
あれが武藤山治邸やね。
移情閣と同じく中に入って見学可能な施設なんだろうか?
何も知らずにやってきた旧武藤山治邸はこれぞ神戸って感じの建物でした。
なんとなく北野にありそうな雰囲気だ。
貼り紙を見てみるとどうやら中にカフェがあるみたい。
武藤山治邸は商業施設として運営されてるんかな。
ぐるりと門の方へ向かい、右側の建物の玄関から中へ入りますと、
入ってすぐの正面に受付が設けられておりました。
受付の或るこちら側の建物は
コンクリート打ち放しの箱状の事務室が嵌まり込んだような不思議な形。
後から作って廊下で繋げたんかねぇ。
(ググってみた。この受付がある建物は管理棟で、
もともとあった撞球室を参考にして復元された建物なんですって)
そうそうカフェは渡り廊下手前、
右に曲がった先にありました。
そのまままっすぐ進み、渡り廊下を超えた先が
有料ゾーンの旧武藤山治邸。
めっちゃオシャレやん!
入ってすぐのホール部分からは
食堂、広間、応接室へ繋がってます。
まず最初に入った食堂は…
やりすぎやろ!と思わず言ってしまった程のオシャレ空間でした。
ちょっとカッコよすぎでしょ。
卓上に置かれた雰囲気たっぷりの小道具がたまらない!
食品サンプル好きとしては見逃せませんわ。
そういやこういう風に出てくるオリーブって食べるんすかね?
バーとか行かないからわかんない。
オシャレっぽく撮ってみた。うむ、満足。
食堂から広間へ移動します。
ベランダに面した広間は応接や社交室として使われていたとの説明書き。
1階残りのもう一室、応接室は
ソファのフカフカ感がステキだった。
続いて2階。
階段を上がったところのホール部分では
窓際に椅子と机が置かれこれまたとてもいい雰囲気だった。
んでは階段上がってすぐの部屋に入ってみますと…ああここもまた良い。
貴賓室。
説明書きによると、もともとは夫人の部屋で
西南の隅を切り取り作られたベランダからの眺めがこの部屋の特徴で、
海に沈みゆく夕陽を楽しまれたことでしょうとあった。
その光景を妄想しながら覗いてみると移情閣が見えた。
旧武藤山治邸は現在地へ移築された建物だから、
当時とは見れる眺めは違ってるけどこれまた十分すぎるほど良き眺めでした。
部屋を出てお次に向かうのは階段上がって正面のお部屋。
書斎。
当時そのままの家具や灯具が使われ再現された部屋の中央には
サンジさんの銅像がどーんと置かれていた。
2階残る一室、主寝室には
完成式典での名物知事の短歌が紹介されてたり
記念館の由来を記したものなどが展示されていた。
でもやっぱり一番目を引いたのは武藤山治さんの肖像画やね。
何気なく、たまたま降りる駅を舞子にしなければ
存在を知らなかったであろう旧武藤山治邸は
入館料100円という破格の安さでなかなか楽しめる施設でした。
(令和四年9月訪問)
旧武藤山治邸 facebook
入館料 大人100円
開館時間 10:00~17:00
休館日 月 年末年始
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