有形登録文化財の城崎ロープウェイに乗って温泉寺へ!(兵庫)

ご覧、あれが今から乗りに行く「城崎ロープウェイ」よ。

城崎温泉七つの外湯巡りの一つ、「一の湯」から湯の里通りを
西に向かって進んで行くと、真正面に運行中のロープウェイが見えた。

はぁ…。
高所恐怖症の為、ロープウェイなんてものには
金輪際乗りたくねぇなんて思っているけど、
あの山の険しさ、そして高さ。目指す温泉寺は山の中腹にあるとはいえ
これは歩いて行くのはちょっと…。
乗らざるを得ない状況に大層憂鬱になる。
そんな自分と相対して高いところ大好き人間な旅の相棒犬面さんはというと、
(この人、明石大橋のツアーも参加しとるくらいな人)
「折角なんで山頂まで上がってみるか」などとウキウキしっぱなしだ。

まぁそんなことは置いといて、
現在ずんずん行進中のこの湯の里通りが
歩いているだけでとても楽しいという事を声を大にして言わなくては。
お土産屋さんに買い食いのできる飲食店、
カフェ、うどん屋、居酒屋、スイーツの店。
そして温泉街に必須の射的屋までもがあるという素晴らしさだ。
(射的屋さんは営業時間外で閉まってたのが残念だった)

「これなら焦って駅前の通りで昼めし食わなくても良かったよなぁ」
「こっちまで来て買い食いしながら観光って手もあったんやね。」
「選択肢いっぱい用意されとったとは思いもよらんかったな。」
話に花を咲かして歩いていると、遂に城崎に来てからずっと恐れていたことが起きてしまった。

…雨だ。
雨が降ってきたのだ。
一斉に傘の花が開く湯の里通り。

我々、傘も持っていないしこのまま山の方へ向かっていいものかしら?
だいたい山頂に上がっても景色は絶望的よね?
店の軒先で雨宿りしつつ、どうするか相談していた時に
ふとあることを思い出した。
そう、城崎温泉のおもてなし、「みんなの傘」だ。
~みんなの傘とは、駅前や外湯など人の集まる場所に置かれた誰でも利用可能な傘の事~

どっかに置いてる場所でもあればええんやけどと
歩を進めると…うおっ!ここは一体何?めっちゃ風格あってカッコええ建物やん!
と、雨の事はすっかり忘れて目を奪われたのが城崎温泉外湯の一つ「御所の湯」。

既に営業中の様でひっきりなしに人が出入りしてました。
ここはちょっと入ってみたいなぁ。
なんて思っているうちに、雨は小降りになりそしてあがった。

湯の里通りには風情ある歴史を感じさせる旅館がたっぷり並んでいて、
中でも江戸時代創業の西村屋本館の佇まいが素晴らしかった。これは理想の和風旅館。
そしてその向かい側のつたや旅館は桂小五郎ゆかりの宿で、記念碑が建っていた。
つたや旅館公式サイト

京都から落ち延びた話は司馬遼太郎の「逃げの小五郎」で読んでたけど、
城崎温泉にも潜伏しとったんか。ベタやけど歴史の息吹を感じれて興奮。

そのまま直進した後、川沿いを北上した先の橋を渡れば温泉寺&城崎ロープウェイ。

まっすぐ進めば温泉寺の山門で、
歩いて参拝する人はこっちから行くようだ。

 

右側にある城崎ジェラートカフェChaya(公式サイト)さんの前には
城崎の源泉・城崎温泉元湯があって、
すぐ近くには足湯が設けられてました。
ジェラート食べながら足湯もいいなぁ。
温泉来たらやっときたい、温泉卵ってのもありだよなぁ。
と欲望まっしぐら状態になりかけましたが、
今にもまた雨が降り出しそうなのでここは我慢の一手である。

っちゅうことで先を急いでロープウェイ入口へ向かうと、
あ…また雨やん…。

時刻表を見てみると20分に一本の間隔で運行しており、
ほぼ待たずに乗れそうな感じ。
ただ、降りる場所がなんだかややこしいなぁ。
頂上までと中腹の温泉寺行きはわかるんだけど、この3分の4ってのは一体???
行こうとしてるのは温泉寺だから温泉寺行きを購入でええんだろうけど、
ここまで来たら頂上まで行っときたくはある。
でもこの雨模様。きっと雲で真っ白けの山頂へ果たして
いく意味があるのだろうか?
しかもいっぺん温泉寺でおりてまた乗ったら、
料金もえらいことになりそうだし(←これ大いなる勘違いだったw)
どうしたもんかねぇ。それにしてもまぁまぁええ値段やな。

よし、頂上はやめて温泉寺のみで行くか。
って、え!?宝物館は休みなの?うそっ…。

雨は酷くなってくるし、もういっそのことどっか居酒屋でも入って
帰りの電車の時刻まで呑んだくれる?なんてオッサン達はやさぐれはじめましたが
すんでのところで気を取り直し、ロープウェイの出発時刻も近づいてきてたので
急いで乗り場へゴー。そして購入したのは温泉寺への往復チケットでございます。

ロープウェイの乗り場の中はレトロな雰囲気。
土産物売り場もあって待ち時間も苦にならない感じだ。

そうだそうだ。書き忘れてた。
このロープウェイの駅舎の向かい側。
そこにはめっちゃ気になる建物があったのです。
それがこちらの太田垣士郎資料館。きっとあの銅像は太田垣さんなんだろう。
なんだかお茶目さを感じるポーズがすっごく気になって
先に見ていこうかと思ったんだけど、天候の事もあるし発車時刻も間近なため
後程見に行くことに。

そして出発時間。
この悪天候ながらロープウェイの利用者は沢山居て
車内はほぼ満員状態でした。いやぁ、ただでさえ怖いのに、こんなに乗って大丈夫なのかしら?
と更に恐怖は倍増だ。

出発する一瞬だけ見る余裕があったので記念に一枚パシャリ。
あとは怖かったのでずっと天井を見てました。うん、マジで怖かったw

約3~4分程の恐怖の空中散歩の果てに到着した温泉寺駅(?)で下車したのは
我々のほかに子供ちゃん連れの家族一組のみ。みんなこんな雨の中頂上行くとは傾奇者かよ。
なんて軽く毒づきつつ、温泉寺へ向かいます。

 

駅舎でええんかな?通路を歩いている時に見つけたのが、
お馴染みの登録有形文化財の標。
城崎ロープウェイは文化財指定されとんねんねぇ。しゅごい!
あと、温泉寺駅でよかったのね。

温泉寺は駅からすぐ近くとかいうレベルではなく、もうほんと目の前。
徒歩10秒とかくらいの近さでした。
そうそう、一緒に降りた家族は何故かそのまま山頂への道へ向かってましたな。
こんな雨の中、それなら山頂まで一気に行けばよかったのでは…?と謎でした。

温泉寺の拝観は貸し切り状態で、
拝観料を払うとご住職がつきっきりで堂内を案内説明してくださいました。
拝観料300円でこんなに至れり尽くせりとかちょっと贅沢すぎへん?と驚きでいっぱいよ。

お参りを済ませた後は戻りのロープウェイが来るまでの間
雨を避けつつ景色を眺めたりしてたのですが、やっぱり曇り空だと残念な感じでした。
「時間もあるしこれやったら頂上まで行ったらよかったなぁ。」なんて残念がる相棒と共に
再び乗り込んだロープウェイは漏れなく恐怖でいっぱい。
ようやく駅舎に降りホッと一息つくも、そこで何かに気づいた相棒は半笑いで僕にこう述べたのだった。

「頂上までの切符って途中下車オッケーやったわ。」この時すっかり雨はやんでいたのであった。

(令和四年8月訪問)

 

温泉寺 公式サイト
拝観料 300円
拝観時間 9:00~17:00
休館日 ロープウェイ休業の日は休館することあり

城崎ロープウェイ 公式サイト
往復料金 山頂まで 大人910円 温泉寺駅まで 大人570円
定休日 第2第4木曜日

 

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